台風影響 関西各地のホテル キャンセルや急な予約も

15日の新幹線の計画運休を受けて、大阪市内のホテルでは、宿泊のキャンセルが相次ぐ一方で、移動できなくなった人から急な予約も入り対応に追われています。

このうち新大阪駅近くにあるホテルでは、15日の新幹線に乗る予定だった客が一日早めに切り上げてチェックアウトしたり宿泊をキャンセルするケースが相次いだということです。
佐賀県から旅行に来た20代の男女は「一日早く切り上げて帰ることにしました。5泊する予定だったのですが残念です」と話していました。
その一方で、14日午後からは、計画運休によって15日の移動ができなくなった人から急な予約も入りはじめたということで、スタッフは電話での対応に追われていました。
15日は関西の交通機関も台風の影響を受けるため、ホテルでは希望に応じてスタッフがホテルで泊まれるようにするということです。
ホテルの石井いなほ 統括支配人は「キャンセルが30件近く入ってしまいましたが、お客さんが安全に帰れることを祈っています。新幹線に乗れない客の予約がさらに増えるかもしれませんが対応していきたいと思います」と話していました。

【京都のホテルでは】
台風7号が接近する中、京都市内のホテルでは予約のキャンセルが相次ぎ、かき入れ時のお盆シーズンの客足の減少に頭を悩ませています。
このうち、京都駅近くにあるホテルでは、14日から16日まででおよそ250室分のキャンセルがあり、スタッフが対応に追われています。
この時期は、16日に行われる京都のお盆の伝統行事、「五山送り火」を楽しもうと、例年、多くの観光客で予約がいっぱいになりますが、台風の影響などで、この3日間の予約率は7割程度に落ち込んでいるということです。
また、送り火を見ながら食事を楽しむことができる屋上のレストランも、数十人分のキャンセルが出ているということです。
キャンセルの多くは鉄道の運休など交通機関の影響によるものだということで、ホテルでは、今後、自治体から要請があった場合には帰宅困難者を受け入れることにしています。
リーガロイヤルホテル京都の和田遊初花チーフは「新型コロナによる制限がない久しぶりの夏ということで、ホテルとしても期待していただけに残念です。天候が回復した際には多くの人に来てもらえるよう準備を整えたいです」と話していました。

【和歌山 那智勝浦町 ホテルの露天風呂一時閉鎖】
台風7号の影響で、和歌山県那智勝浦町のホテルは、海に面した露天風呂を安全のために一時的に閉鎖するなど、対応に追われています。
那智勝浦町にあるホテルは天然の洞窟を利用した露天風呂を売りにしていますが、海に面しているため、台風7号の接近に伴う強い雨や風などで利用者に危険が及ぶのを防ぐため、14日から一時的に閉鎖することになりました。
14日はホテルのスタッフが露天風呂の海と面している場所に波の侵入を防ぐための板を設置して、台風の上陸に備えていました。
ほかにも、客が利用できる観光船の運航を取りやめ、船をロープで固定して波で流されないようにしていました。
このホテルは、今週が夏休みシーズンの予約のピークで、14日はほぼ満室の状態だったということですが、台風の影響で予約の7割にあたるおよそ700人分のキャンセルが出ているということです。
「ホテル浦島」の石垣俊光 取締役は「お盆期間の利用者でほぼ満室だったところに台風の直撃でキャンセルが増えて大打撃を受けています。来ていただいたお客様にはホテルで安全・安心に過ごせるよう対応していきます」と話していました。

【兵庫 淡路島の旅館では】
台風の接近に伴い、兵庫県の淡路島にある旅館では、お盆の宿泊予約のキャンセルが相次いでいます。
南あわじ市阿那賀にある旅館はおよそ40部屋あり、例年、お盆の時期は大勢の宿泊客でにぎわいます。
14日と15日も満室の予定でしたが、台風7号の接近に伴い2日間の宿泊予約の半数近くがキャンセルになったということです。
旅館「うずしお温泉うめ丸」の濱田洋平さんは、「お盆は1年の中でも最も多くの宿泊客が訪れる時期です。人数が多い家族連れなどのキャンセルが相次ぎ、この時期に台風が来るのは正直しんどいです。大きな被害もなく一刻も早く台風が通り過ぎ、夏休みの最後に多くの人に来てもらいたい」と話していました。