台風7号 15日に近畿上陸のおそれ 土砂災害や暴風に警戒

強い台風7号は、15日、近畿地方に上陸するおそれがあり、14日の午後から15日の午後にかけては「線状降水帯」が発生して大雨となる可能性があります。
気象台は、土砂災害や暴風に警戒し、14日夜から15日の夜にかけては不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。

大阪管区気象台によりますと、強い台風7号は、和歌山県の潮岬の南東の海上を北西へ進んでいて、15日、近畿地方に上陸するおそれがあります。
近畿地方は、14日夜から台風の暴風域に入るおそれがあり、大雨や暴風に警戒が必要です。
15日の午後にかけては「線状降水帯」が発生して非常に激しい雨が降り続き、急激に雨量が多くなる可能性があります。
15日昼までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、▽近畿南部で350ミリ、▽近畿中部で250ミリ、▽近畿北部で180ミリと予想されています。
その後、16日の昼にかけては、近畿南部、中部、北部でさらに200ミリから300ミリの雨が降って大雨となるおそれがあります。
また、14日夜遅くから15日の午後にかけては、猛烈な風が吹くところもある見込みで、15日予想される▼最大風速は、▽海上で25メートルから35メートル、▽陸上で20メートルから30メートル、▼最大瞬間風速は、▽海上で35メートルから50メートル、▽陸上で35メートルから45メートルに達する見込みです。
波も高くなり、15日は▽近畿南部で8メートルとうねりを伴って大しけとなり、▽近畿中部と北部でも5メートルとしける見込みです。
また、台風の接近に伴って潮位も高くなる見込みで、満潮の時間と重なった場合には、警報級の高潮になるおそれがあります。
大阪管区気象台は、暴風や土砂災害に警戒するとともに、対策は14日、日中の明るい時間帯に終えて、台風が接近する14日夜から15日の夜にかけては、不要不急の外出は控えるよう呼びかけています。

【暴風への対策を】
台風の接近に伴って、14日夜以降、近畿地方の広い範囲に暴風警報が発表される可能性があります。
明るい日中のうちに対策を終えてください。
<家の中にしまって>
ベランダや庭など、家の外に置いてあるものは、できるだけ屋内にしまってください。
自転車や物干しざお、植木鉢なども飛ばされる危険があります。
傘や雑誌も暴風で飛ばされると窓ガラスを突き破る凶器となります。
飛ばされたもので誰かをけがさせたり、電線に引っかかって停電の原因となったりしないように、家の外にあるものは屋内にしまってください。
難しい場合にはひもで固定して飛ばないようにしてください。
<雨戸やシャッターを閉めて>
風で飛ばされたものがぶつかってガラスが割れると、屋内に一気に風が吹き込み、屋根が飛ばされることもあります。
雨戸やシャッターを閉めて、窓を守ってください。
雨戸などが無い場合は、段ボールで窓を覆うなどの対策も有効です。
ただ、風が強くなってから作業すると、風にあおられて転倒するリスクもあるので、風が強まる前に対策を終えてください。

【ハザードマップの確認を】
雨が強まる前に、「ハザードマップ」で自宅や職場のリスクを確認してください。
どんな避難が必要かを確認し、今のうちに、避難先も決めておきましょう。
過去の災害では、避難中や移動中に災害に巻き込まれたケースが多いので、避難するときに通るルートのリスクも確認してください。
<「土砂災害警戒区域」か確認を>
ハザードマップで、自宅や職場が「土砂災害警戒区域」や「土砂災害特別警戒区域」に入っていないか確認してください。
これらの区域は土砂災害の危険性が高い場所です。
「土砂災害警戒情報」が発表された場合などは、安全な場所に避難する必要があります。
過去の災害では、多くの人が「土砂災害警戒区域」の中の自宅にいて被害にあっています。
2階にいて犠牲になったケースもあるので、「土砂災害警戒情報」が発表された場合には、近くにある鉄筋コンクリートの建物など、頑丈な建物に避難してください。
早めにどこに避難するか決めておいてください。
<浸水の「深さ」の確認を>
ハザードマップでは、浸水リスクのある場所に、深さに応じてピンクや黄色の色がついています。
自宅や職場の周辺で想定されている浸水の深さを確認してください。
一般的に、浸水の深さが1メートルを超えると「床上浸水」が発生するところがあります。
3メートルを超えると建物の1階部分が水没するレベルで、平屋の場合、屋根まで水につかってしまう可能性があります。
5メートルを超えると、建物の2階部分も水没するレベルです。
浸水の深さと、自宅の階数などを比べて、安全な場所への避難が必要か確認してください。
<「家屋倒壊等氾濫想定区域」か確認を>
自宅が「家屋倒壊等氾濫想定区域」に入っているかどうかも確認してください。
この区域は、川が氾濫した場合、水の勢いが強く、建物ごと流されるリスクがある場所を示します。
2020年に熊本県の球磨川で発生した水害では、実際に家ごと流されて犠牲になった人が複数いました。
2階に逃げても助からない可能性があるので、この区域に住んでいる人は、近くの川の水位に注意し、自治体から「氾濫警戒情報」などが発表された場合は、川から離れた安全な高台などに避難するようにしてください。
<空白地域でも油断しないで>
ハザードマップで、リスクが示されていなくても安全だとは限りません。
中小河川の場合、ハザードマップの整備が間にあっていない場合も多くあります。
ことし6月に和歌山県で大雨となった際も、ハザードマップでリスクが示されていない川で氾濫が発生し、1人が死亡、1人が行方不明になっています。
自宅が低い場所にある場合は、浸水リスクがあると考えて行動してください。

【停電への備えを】
台風が近づくと、暴風によって電線が切れたり、電柱が倒れたりして停電が発生するおそれがあります。
<懐中電灯が使えるか確認を>
停電した場合に備えて、懐中電灯やランタンをすぐ使える場所に出しておきましょう。
点灯するかどうか確認し、電池式の場合は、予備の電池も用意しておきましょう。
停電時にろうそくを使うと火災が起きるリスクがあるので、できるだけ避けて下さい。
<スマホを充電しておく>
スマートフォンは、避難情報を確認したり、救助を求めたりする上で欠かせません。
今のうちにフル充電しておいて下さい。
モバイルバッテリーなども充電しておきましょう。
<ガソリンを満タンに>
車がある人はガソリンを満タンにしておきましょう。
気温の高い状態が続いているため停電してエアコンが使えなくなると、熱中症の危険性が高まります。
車のエンジンがかかればエアコンを使うことができます。
<オール電化の家庭はカセットコンロを>
自宅がオール電化の場合、停電すると、料理などができなくなります。
赤ちゃんがいる家庭では、ミルクを作るためのお湯をわかすことも難しくなります。
カセットコンロとガスボンベを用意しておいて下さい。
<簡易トイレや小銭も用意を>
停電が発生すると断水も起きることがあります。
水が流せなくなった時のことを想定して、簡易トイレを用意しておきましょう。
電子マネーなどが使えなくなることもあるので、手元に現金を用意しておくことも必要です。

【高潮にも厳重警戒を】
台風7号の接近に伴い、近畿や東海などでは14日夜から16日にかけて「高潮」にも厳重な警戒が必要です。
15日朝までの各地の満潮時刻です。
<近畿>
近畿では、▽和歌山県白浜町が14日午後5時52分と15日午前4時47分。
▽大阪市天保山が14日午後6時53分と15日午前5時48分。
▽神戸港が14日午後7時4分と15日午前5時45分。
▽兵庫県豊岡市が15日午前3時19分、▽京都府舞鶴市が15日午前3時20分。
<東海・北陸>
東海・北陸では▽三重県の尾鷲港が14日午後5時46分と15日午前4時32分。
▽名古屋港が14日午後5時46分と15日午前5時1分。
▽静岡県の清水港が14日午後5時30分と15日午前4時16分、▽福井県敦賀市では15日午前3時36分です。

満潮の時間帯は高潮のリスクが高まるため台風の進路にあたる地域やその周辺では、海岸や河口付近に近づかないようにしてください。
特に兵庫県では15日朝から16日にかけて、高潮の警報級の可能性が高くなっています。
台風が近づく時だけでなく通過したあとも、厳重に警戒してください。