大阪知事 高校授業料無償化に向け 「標準授業料」増額の方針

所得制限のない高校授業料の無償化に向けて、大阪府の吉村知事は、府の素案で、私立高校の授業料が府が定める「標準授業料」を超える場合、学校側が超えた分を負担する仕組みになっていることなどから、教育の質の向上との両立を図るため、「標準授業料」などを増額する方針を示しました。

大阪府は、所得制限のない高校授業料の無償化に向けて、来年度から3年生の授業料を無償化し、令和8年度には、すべての学年を対象にするなどとした、制度の素案をまとめています。
一方、素案では、私立高校の年間の授業料が、府が定める「標準授業料」を超える場合、学校側が超えた分を負担する仕組みになっており、私立高校などでつくる団体からは「学校の経営やあり方に関わる問題だ」といった意見が出されています。
こうした状況を踏まえ、大阪府の吉村知事は、4日、記者団に対し、現在、60万円となっている「標準授業料」を63万円に増額するほか、私立高校に対する経常費助成を段階的に引き上げ、2万円程度、増額する方針を示しました。
吉村知事は、「教育の質を上げていき、授業料の完全無償化を実現する。私学団体の皆さんにご提案をして、府の最終案をまとめていきたい」と述べました。
一方、4日、府内の私立高校などでつくる団体の会合が開かれ、府の担当者が「標準授業料」を増額する方針などを説明したのに対し、団体として、前向きに検討していくとともに、今後の課題について、吉村知事と話し合いを行っていくことを確認しました。