伊吹山に生息する天然記念物イヌワシのひな死ぬ 滋賀 米原

滋賀県米原市の伊吹山に生息している国の天然記念物、イヌワシのつがいが春から育てていた2羽のひなが、先月(7月)までにいずれも死んだことがわかりました。

米原市は、伊吹山のイヌワシを40年以上見守り続けている地元の写真家、須藤一成さんの協力を得て、須藤さんが巣に設置したライブカメラの映像を市役所などで公開していました。
須藤さんによりますと、4月中旬までに2羽のひなが誕生し、メスがエサを与える様子などが映像で確認されていましたが、4月下旬に1羽のひなが死んだのに続いて、先月30日にはもう1羽も死んでいるのが確認されたということです。
親鳥がエサを運んでくる回数が少なかったことなどから、ひなの衰弱が進んだため先月、希少種を保護する目的で生き残っていた1羽に補助的にエサを与えたものの、食べたものを消化できないほど弱っていたということです。
須藤さんによりますと、滋賀県の山岳地帯にはかつて11組のイヌワシのつがいがいましたが、現在は4組にまで減っているということです。
須藤さんは「巣立つまで育たず残念だ。温暖化の影響でエサになる小動物が表に出て来なくなっている影響もあるのではないかと思う。野生動物と人間がともに暮らせる環境を作っていく必要がある」と話しています。