関西電力 最終損益の黒字 4月〜6月決算では過去最高に

関西電力が発表した先月(6月)までの3か月間の決算では、最終的な損益は1900億円あまりの黒字となり、この時期としては過去最高となりました。
LNG=液化天然ガスなどの燃料価格が低下したことや原子力発電所の稼働率が上がったことなどが主な要因です。

関西電力のことし4月から先月までの3か月間のグループ全体の決算では、▼売り上げが前の年の同じ時期から25%増えて9665億円、▼最終的な損益は1931億円の黒字でした。
最終的な損益は前の年の同じ時期の114億円の赤字から大幅に改善して過去最高となりました。
これは、LNGなどの燃料価格が低下したことや原発の稼働率が上がったことなどが要因です。
今年度1年間の最終的な損益の見通しについては、今後の燃料価格の動向が見通せないことなどを理由に3050億円の黒字で据え置きました。
関西電力の井内達彦経理室長は電気料金の値下げについて問われたのに対し、「今後の経営環境や経営効率化の進捗状況を慎重に見極めた上で、総合的に判断していきたい」と述べるにとどめました。

      【カルテル問題 当時の役員らに賠償求めず】
事業者向けの電力販売をめぐり、関西電力が中国電力などとカルテルを結んでいた問題で、関西電力の個人株主らが当時の役員ら24人に賠償を求める訴えを起こすよう会社に求めていましたが、関西電力は提訴しないことを決めました。

関西電力は、調査の結果、24人のうち4人の役員や元役員については立場上、法律違反になる可能性を認識できたなどとして責任を負う余地があると判断しましたが、▽訴訟手続きの負担が重いことや▽公正取引委員会の調査の前に自主申告し、
課徴金を免除されたため、会社への損害は大幅に軽減されたなどとして、訴えを起こすことは見送ったとしています。
ほかの20人については、違反行為を認識していたとはいえないなどとしています。
関西電力の株主らは、会社が提訴しない場合、株主代表訴訟を起こすとしていました。

      【相次ぐ不祥事に 榊原会長 「じくじたる思い」】
関西電力の榊原定征会長がNHKなどの取材に応じ、ほかの大手電力会社とのカルテルや競合他社の顧客情報の不正閲覧など相次ぐ不祥事について、「企業体質についての改革を進めてきて手応えも感じていたが、結果として不祥事が相次いで発覚したことは、これまでの改革が道半ばだったと痛感している。じくじたる思いだ」と述べ、陳謝しました。
その上で、「問題があると感じたら報告できる組織文化をつくることが重要だ。社外取締役として取り組むべき最優先課題だ」と述べ、引き続き企業風土改革などに当たる姿勢を強調しました。
事業者向けの電力販売のカルテルを巡っては、関西電力が2020年に公正取引委員会に自主申告しましたが、中心的な役割を担っていた森本孝前社長は去年6月まで社長を務めていました。
これについて、指名委員会のトップも務める榊原氏は、「森本前社長も公正取引委員会にカルテルが認定されるおそれがあったが、抵触しないと思っていた。新しい経営理念や中期経営計画などに責任を持って改革の道筋をつけて欲しかった」と釈明しました。