万博 カナダが正式に参加契約 パビリオン“開幕に間に合う”

カナダは、再来年の大阪・関西万博に正式に参加する契約を18日、実施主体の博覧会協会と結びました。
海外のパビリオンの建設の遅れが指摘されるなか、カナダの政府代表は、あらかじめカナダで作ったパーツを日本で組み立てる方法をとるため開幕までには間に合うという見通しを示しました。

東京・港区のカナダ大使館で行われた調印式には、博覧会協会の石毛博行 事務総長やカナダのローリー・ピーターズ政府代表らが出席し、参加契約書にサインしました。
パビリオンのテーマは、「リジェネレーション=再生」で、カナダの豊かな自然や多様性を紹介し、次の時代を担う世代を力づける展示内容にしたいとしています。
万博に向けては、各国が自前で準備するパビリオンの建設申請が大阪市に1件も出されておらず、準備の遅れが指摘されています。
ピーターズ政府代表は、すでに建設業者の選定を終え、ことしの秋には建設許可の申請を行い、来年(2024年)3月に建設を始める計画を明らかにしました。
そのうえで、ピーターズ政府代表は「リユース素材を使うことや、あらかじめカナダで作った建物のパーツを日本で組み立てることで、10か月から11か月で完成することが可能だと考えている。準備に万全を尽くしたい」と述べ、遅くとも再来年の3月までには内装も含めて工事を終える計画で開幕には間に合うという見通しを示しました。

【関経連会長“万博サポートを”】
再来年の大阪・関西万博の海外パビリオンの建設が遅れている問題について、関西経済連合会の松本正義 会長は、18日の記者会見で開幕に間に合うよう博覧会協会などが参加国をサポートしていく必要があるという考えを示しました。
一方、松本会長は個人的な考えだとしたうえで、今後、自力での建設などを取りやめる国も出てくるという見方を示しました。
大阪・関西万博では、50か国余りがみずから費用を負担してパビリオンを建設する計画ですが、これまでに大阪市に建設に必要な許可を申請した国はなく、資材価格や人件費の高騰などが要因と指摘されています。
これについて、博覧会協会の副会長を務める関経連の松本会長は18日の記者会見で「開幕に間に合わせるようにさまざまな工夫を考えながら準備していかなければならない。今、建設条件のすりあわせやデザインの再検討をしているが、開催国として親身になって相談に乗る必要がある」と述べました。
そのうえで、松本会長は「協会の投げかけに対して何の返答もない国もあると聞いているが、ビジネスマンとしてどう考えてもおかしい。そういう国がパビリオンを建てられるとは思えず、まずは何らかの反応をするべきだ」と述べました。
そして、松本氏は個人的な見解だとしたうえで、今後、自力での建設を断念したり、出展自体を取りやめたりする国や地域が出てくる可能性もあるという見方を示しました。

【ミャクミャク初海外終了 課題も】
再来年(2025年)の大阪・関西万博の公式キャラクター、「ミャクミャク」が16日、初めての海外渡航となったフランスでのPRを終えました。
実施主体の博覧会協会では来場者の10%余りが海外から訪れると見込んでいて、今後、情報発信を強化することにしています。
博覧会協会と近畿経済産業局は、13日から16日までの4日間、フランスのパリ近郊で開かれていた、アニメやゲームなど、日本の文化を幅広く紹介するヨーロッパ最大級のイベント、「ジャパンエキスポ」にブースを出展しました。
これに合わせ、会場では、万博の公式キャラクター、「ミャクミャク」も登場し、来場者と触れ合ったり、記念撮影に応じたりしていました。
博覧会協会は、半年間の開催中に来場を見込む2800万人余りのうち、およそ350万人が海外から訪れると見込んでいて、機運醸成は、国内に加えて海外でも課題になっています。
海外のパビリオンの建設の遅れなどハード面での課題もみられる中、博覧会協会は、機運醸成に向けて今後も、参加国に「ミャクミャク」を派遣したり、SNSを活用したりして情報発信を強化する方針です。