奈良 宇陀市窓口に 聞こえにくい人向け“軟骨伝導”イヤホン

耳の聞こえにくい人を支援しようと、耳の軟骨を通じて音を伝える「軟骨伝導」の仕組みを使ったイヤホンが、奈良県宇陀市の市役所の窓口に導入されました。

イヤホンは奈良県立医科大学などが開発したもので、軟骨を振動させて音を伝える「軟骨伝導」の仕組みを使い、耳の入り口付近に軽く当てるだけで音漏れも少なく聞きとることができます。
宇陀市役所には14日、イヤホンを開発した奈良県立医科大学の細井裕司 学長や市の関係者などおよそ70人が集まり、新しく導入したイヤホンを体験しました。
耳の聞こえにくい人を支援するため市役所の窓口に10台置き、希望者に利用してもらうということです。
イヤホンはこれまで金融機関の窓口などで試験的に使われてきましたが、大学によりますと、本格的に導入したのは全国の自治体で宇陀市が初めてだということです。
イヤホンを利用した60代の女性は、「軽く耳に乗せるだけでしっかり聞こえるので違和感がなく楽だと思います。もっと普及してほしいです」と話していました。
宇陀市介護福祉課の高台晴彦 課長は、「窓口で会話する際、マスクやパーテーションがあると大きな声になってしまい、大事な話がしづらいのでこのイヤホンを使って高齢者にやさしい環境を作っていきたい」と話していました。