夏休み 関西からの旅行先“国内は遠くへ 海外は近場”の傾向

ことしの夏休みは、新型コロナが5類に移行したことから、旅行する人が増えそうです。
関西からの旅行先については、国内では遠距離を選ぶ傾向がある一方で、海外旅行については、円安などの影響で近距離のアジア圏を選ぶ傾向があると分析しています。

大手旅行会社のJTBは、宿泊施設や航空便の予約状況などをもとに、夏休みシーズンに旅行に出かける人の動向について予測しました。
それによりますと、今月(7月)15日から来月(8月)末まで▼国内旅行に出かける人は7250万人と去年の同じ時期と比べて16%増えるほか、▼海外旅行に行く人は120万人と、およそ2倍に増えると推計してます。
そのうえで、関西発の国内旅行先の予約状況を見ると、▼東京・東京ディズニーリゾート、▼沖縄、▼北海道の順で人気となっていて、新型コロナが5類に移行し、新幹線や飛行機で遠距離の旅行先に行く傾向が高まっているということです。
一方で、関西発の海外旅行先については、最も人気が高いのはハワイとなっていますが、次いで、韓国や台湾などのアジア圏に人気が集まっているということです。
これについて、会社では、円安や物価高の影響で旅行にかかる費用を抑えようとしていることが要因の1つだと分析しています。

【どうする夏休み? 旅行会社の店舗では】
夏休みシーズンが迫る中、大阪・中央区にある大手旅行会社の店舗では、旅行の相談や予約をする人が訪れていました。
このうち66歳の女性は「久しぶりに友人と長崎旅行に行きます。遠いですが、たくさんしゃべって楽しみたい」と話していました。
また、50歳の女性は「海外旅行に行きたかったが、円安で以前と比べて高くなっていて驚きました。ことしは国内旅行でいろいろなところに行って楽しみたいです」と話していました。
このほか、65歳の女性は「コロナ禍でずっと海外旅行に行けなかったが、ことしは台湾と韓国に久しぶりに行きました。まずは近場の旅行先から行きたいなと考えています」と話していました。
JTB広報室の村井靖子マネージャーは「海外旅行については円安や物価高に加えて久しぶりの海外で不安ということもあり、比較的、近場のアジア圏の旅行先が人気となっている。物価高もあるが、メリハリをつけた生活で旅行に行こうという意向がある」と話していました。

【夏休みの予定は? 街の声】
ことしの夏休みの予定について、大阪・西区の公園で親子連れに聞いてみました。
大阪市の30代の父親は「石垣島に行くのでホテルでゆっくりしたり、子どもたちをプールで遊ばせたりしたいと思っています」と話していました。
5歳の娘を連れた60代の父親は「妻の実家が香港なのですが、8月は航空機代が高いので夏休みが終わってから行きたいです。子どもには日本のお祭りを経験させてあげたいです」と話していました。
30代の父親と一緒に遊びに来ていた4歳の子どもは「夏休みは旅行に行きたいです。ディズニーランドに行きたい」などと話していました。
1歳の子どもを連れていた母親は「新型コロナの影響がおさまって4年ぶりにイベントを開くところも多く、人出が多くなりそうなのでことしは遠出はやめておきます」と話していました。

【夏休み前 パスポートセンターが混雑】
夏休みを前にパスポートの取得や更新のため、大阪市のパスポートセンターには大勢の人が訪れています。
大阪・中央区のパスポートセンターは、10日、順番待ちの人が80人を超える場面もあり、手続きを終えるまで最大で1時間半以上、時間がかかったということです。
夏休みに子どもと韓国に行くという母親は「新型コロナもあってなかなか行けなかったので、ショッピングが楽しみです」と話しています。
女子大学生は「友達と韓国に行く予定で、おいしいご飯などを楽しみにしています」と話しています。
シンガポールに行くという大学生のカップルは「コロナも収まってきたので大学生のうちに行きたいです。会場がこんなに混雑しているとは思っていませんでした」と話していました。

【大阪で“ハワイ気分”を】
円安などの影響で海外旅行に行きにくい状況の中、大阪市のデパートではハワイのグルメやフラダンスなどを楽しめるイベントを初めて開くことになり準備が進められています。
大阪・難波の高島屋大阪店では、近場でハワイ気分を感じてもらおうと、現地のグルメやグッズなど300点以上を集めたイベントを今月(7月)26日から開くことにしています。
店では開催を前に準備を進めていて、11日は担当者が集まって、イベントで販売する商品の情報を確かめたり、販促方法などを話し合ったりしていました。
イベントでは、ハワイ州のモロカイ島にあるパン屋で人気の1個600グラムの大型のパンをはじめ、現地の人気のグルメが味わえるほか、フラダンスやウクレレのショーなども楽しめるということです。
高島屋大阪店の古市遙子さんは「円安や現地での物価高がある中で、近場でハワイを楽しんでもらいたいと思い企画した。夏休み中の子どもを連れてぜひ親子3世代で過ごしてハワイのような開放的な雰囲気を楽しんでもらいたい」と話していました。

また、大阪・北区のホテルでは、「ハワイアンアドベンチャー」をテーマにしたビアガーデンを開いています。
火山から飛び出した噴石をイメージした豚肉に、溶岩に見立てた赤いトマトソースをかけた料理などを用意しているということです。
このビアガーデンは、来月(8月)末まで開かれています。