部活動中の熱中症対策にウェアラブル端末と蓄冷材 実証実験

学校の部活動での熱中症対策が求められる中、東京都内の中学校でウェアラブル端末を活用する実証実験が始まりました。
大阪に本社がある大手電機メーカーが協力し、運動の前に手のひらの血管を冷やす対策も組み合わせ、その効果を検証します。

この実証実験は、東京・三鷹市にある4つの中学校で11日から始まり、陸上競技部などの部員、およそ400人が参加します。
体の深部の体温の上昇を検知するウェアラブル端末を生徒一人一人が装着し、熱中症の危険が高まるとアラームが鳴る仕組みです。
さらに、運動前に蓄冷材を握って手のひらの血管を冷やすことでどの程度の効果があるかデータの収集を行います。
この蓄冷材は、大阪に本社がある大手電機メーカーのシャープが液晶の材料研究の技術を応用して開発したもので、血管を効果的に冷やす摂氏10度の温度を保つのが特徴です。
実証実験はおよそ2か月間かけて行われ、部活動ごとや練習内容ごとにリスクの度合いを確かめるほか、適切な休憩の方法なども総合的に検証することにしています。
参加した陸上競技部の生徒は「アラームで知らせてくれるので気が楽でした」とか、「突然倒れたりすると危ないし怖いなと思うので防げるのであればいいなと思います」と話していました。
三鷹市立第二中学校の青木睦 校長は「この取り組みを通して、子どもたちの熱中症予防にぜひ活かしていきたい。体育館や教室の冷房などの活用もさらに進めていきたい」と話していました。