東大阪の病院 重症患者の人工呼吸器「中断」看護記録から削除

大阪・東大阪市の病院に勤めていた医師がおととし(2021年)新型コロナウイルスの重症患者の人工呼吸器を一時的に止めていた問題で、当時の看護記録から人工呼吸器を止めたという内容が削除されていたことが病院への取材でわかりました。
記録の削除は、人工呼吸器を止めたのとは別の医師がみずからの判断で指示したということです。

この問題はおととし3月、東大阪市にある大阪府立中河内救命救急センターの当時の部長が、新型コロナの重症患者と人工呼吸器の装着方法をめぐって意見が食い違い、患者の人工呼吸器をおよそ2分間停止したというものです。
患者は人工呼吸器の再開後に回復しましたが、病院は重大な倫理違反があるとしています。
この問題をめぐり、当時の看護記録から人工呼吸器を止めたという内容が削除されていたことが病院への取材でわかりました。
削除されていたのは、当時の経緯について「本人と相談し呼吸器一旦中断するも頻呼吸呈したため呼吸器開始」と記された部分など2か所だということです。
記録の削除を指示したのは患者の主治医で、人工呼吸器を止めたのとは別の医師でした。
主治医はみずからの判断で看護師に削除を指示したということで、看護師が病院に報告し発覚したということです。
病院は主治医をおととし12月付けで訓戒の処分にしています。
中河内救命救急センターは「医療そのものへの信用失墜に及びかねないものと反省し、深く謝罪申し上げます」とコメントしています。