なぜ必要?どう活用?“生成AI”を学生が議論

最近、ニュースでも耳にすることが多い「ChatGPT」などの生成AIについてです。
ネット上などの膨大な情報を学習し、人間が書いたような自然な文章で対話ができるもので例えば、「小説を書いて」と入力すると物語を書いてくれたりもします。
「NHKの小山径アナウンサーを主人公にした小説を書いて」と入力したところ、タイトルは「微笑みのマイク NHK小山径アナウンサーの軌跡」。
名前の読み方は間違っていすが、「彼は常に笑顔で、明るく人なつっこい性格で、視聴者とのコミュニケーションを大切にすることをモットーにしていました」。
生成AIは、すぐに答えを返してくれる手軽さもあって活用が広がりつつありますが、間違いもあるので教育の現場などでは導入に慎重な意見もあります。
そんななか、生成AIを教育の現場でどう活用すべきか、大学生と教員が話し合うワークショップが開かれました。

【ワークショップでは】。
文章や画像などを自動で作成する「生成AI」について、教育現場での使い方を大学生と教員が考えるワークショップが、大阪で開かれました。
ワークショップは大阪・枚方市にある大阪工業大学のキャンパスで開かれ、情報科学部の学生や教員など30人が参加しました。
5日のワークショップではまず、学生らが生成AIを日常生活でどのように利用しているのか発表し、▼テスト勉強のための問題を作成したり、▼学習塾のアルバイトで生徒への激励のメッセージを作る際に役立っているという意見があった一方、▼勉強に使う場合、活用のしかたを考えないと学力向上につながりにくいといった声もありました。
続いて参加者は、4つのグループに分かれて使い方や注意点などを議論し、▼作成された文章の正しさを改めて確認する必要があることや、▼安易に使いすぎると、人とコミュニケーションをとる機会が減ってしまうおそれがあるといった懸念も出ていました。
大学では今回の議論などを踏まえ、生成AIの利用についての指針を策定することにしています。
大阪工業大学情報科学部の樫原茂 准教授は、「生成AIは世の中を変える技術で、すでに利用している学生も少なくない。単純に規制するのではなく、よりよい使い方を考えていきたい」と話していました。

大学では今回の議論などを踏まえ、生成AIの利用についての指針を策定するということです。
学校現場などでの取り扱いについて、文部科学省は4日、暫定的なガイドラインを公表しました。
適切な例として▽考えをまとめる途中段階として足りない視点を見つける。
▽英会話の相手として使う。
そして、▽誤った回答などを使って性質や限界に気づかせることなどを示しています。
一方、適切ではない例として、▼メリットやデメリットなどを学習せずに子どもたちに使わせること。
▼生成AIがつくった読書感想文やレポートなどを自分の成果として提出することなどを挙げています。
文部科学省は、今後もガイドラインを見直していくとしています。