京阪中之島線延伸可否検討で委員会 IR来場者含め収支予測へ

私鉄大手の「京阪ホールディングス」は、京阪電鉄の中之島線を大阪メトロ中央線の九条駅まで延伸する計画について検討委員会を立ち上げました。
採算に課題はあるものの、延伸が実現した場合、京都などから大阪湾岸エリアへのアクセスが向上することになりそうです。

京阪ホールディングスは、3日の経営会議で京阪電鉄の中之島線について、延伸の可否を検討する委員会を立ち上げました。
委員会は加藤好文 会長をトップとし、鉄道のほか、不動産や小売りなど社内の各事業の幹部で構成されています。
検討委員会では、IRの来場者を含めた需要がどれくらいあるか、収支予測を議論することにしています。
延伸した場合は大阪メトロ中央線と接続することになり、京都などからカジノを含むIR=統合型リゾート施設が整備される夢洲をはじめとした大阪湾岸エリアへのアクセスが向上することになります。
中之島線は京阪ホールディングスに加え大阪府と大阪市などが出資する第三セクターが線路や駅を保有し、京阪電鉄が運行を担う「上下分離方式」となっていて、採算に課題があることから、委員会は、延伸した場合の運営方法についても検討します。
会社では、早ければ今年度(2023年度)末までに延伸の可否について結論を出すことにしていて、延伸を決断した場合には府や市と協議していくことにしています。

【大阪湾岸エリアなどへの延伸計画他社も】大阪の人工島・夢洲では、再来年の大阪・関西万博に加え、カジノを含むIR=統合型リゾートの開業が計画されていて、これを見据えて延伸や車両の開発などが相次いでいます。
▼大阪メトロは来年度(2024年度)末までに中央線を現在のコスモスクエア駅から夢洲まで延伸することになっています。
▼近畿日本電鉄は奈良方面から大阪メトロ中央線に乗り入れる形で夢洲まで直通運転するための技術の開発を進めています。
一方、▼JR西日本をめぐっては、ゆめ咲線を夢洲まで延伸する構想がありますが、具体化していません。
湾岸エリア以外には、▼大阪・ミナミの難波付近と北区の梅田付近とを新たに結ぶ「なにわ筋線」が2031年の開業を目指して工事が進められています。