子ども中心に流行 感染症 消毒・手洗い 対策の徹底を

関西では発熱や口の中に水ぶくれができる「ヘルパンギーナ」など、子どもを中心に広がる感染症の患者が多い状況が続いています。
こうした感染症は、コロナ禍では大きな流行がなく、小児科の医師は感染対策の徹底を呼びかけています。

大阪・西区にある小児科のクリニックでは、発熱などを訴えて受診する子どもがことし4月から6月27日までで872人となっていて、去年の同じ時期の1.6倍に増えています。
中でも、いわゆる夏かぜとして知られ、発熱や口の中に水ぶくれができる「ヘルパンギーナ」の患者が今月上旬ごろから急増していて、この日も発熱などを訴えて受診した2歳の男の子が診断されていました。
ヘルパンギーナの患者は全国で増えていて、関西では大阪と滋賀、それに和歌山の3府県で、今月18日までの1週間の1医療機関あたりの患者数が警報レベルの「6」を上回っています。
クリニックには、ほかにも年代ごとにさまざまな感染症の患者が受診していて、▼就学前の子どもでは、熱やせきなどかぜのような症状が出るRSウイルスやアデノウイルス、▼小学生では溶連菌やインフルエンザ、▼中学生では新型コロナなどが目立つということです。
こうした感染症は症状が似ていることもあり、クリニックでは症状を詳しく聞き取ったり検査キットを使ったりして、診断につなげているということです。
「あわざこどもクリニック」の田中篤志 院長は、「ここまで多くの種類の感染症が同時に流行するというのはあまり経験がない。新型コロナが5類に移行したあと、マスクを外す機会が増え行動範囲が広がったことやコロナ禍でほかの感染症の大きな流行がなかったことが感染の拡大につながっているのではないかと思う。ヘルパンギーナの患者は来月(7月)にかけて徐々に減っていくのではと期待しているが、そのほかの感染症が増えるおそれもあるので、改めて、アルコールでの消毒や手洗いを徹底するなど、感染対策を意識してほしい」と話していました。