ユニークな商品体験できる「売らない店舗」 大阪のデパートに

国内外の企業が最新技術を使って開発したユニークな商品を体験できる店舗が28日から大阪市内のデパートに期間限定でオープンしました。

大阪・梅田の「阪急うめだ本店」にオープンした店舗では、国内外の企業が開発したユニークな商品、あわせて23点が紹介されています。
このうち、アメリカのベンチャー企業が開発した眼鏡型の端末には、両方のレンズに小型のディスプレーが内蔵されていて、どこでも大画面で映像などを見ることができます。
重さは、卵1個分のわずか78グラムということで、長時間、つけていても疲れにくく、映像のサイズやレンズの透明度を変えられるため、周りの様子を確認することもできるだということです。
このほか、大阪・箕面市のベンチャー企業は、人間が肌で熱さと冷たさを同時に感じると痛みを感じてしまう錯覚を利用して、虫刺されなどの時に肌にあてれば、痛みでかゆみが和らぐ商品を開発しました。
商品に付いた半導体が内側は10度、外側は40度の2つの温度になることで、錯覚でかすかな痛みを感じる仕組みです。
東大阪市の企業が開発したのは、洗剤を使わなくても水ですすぐだけで油汚れなどを落とすことができる皿です。
皿の表面に細菌よりも小さな分子レベルで特殊な加工がされていて、水が汚れと皿の間に入り込んで汚れを浮かび上がらせるということです。
この会社では、皿を洗う際に使う水を大幅に少なくできるとしています。
皿を開発した「DG TAKANO」の高野雅彰 社長は「省エネで時短に使ってもらえる商品で、日本だけではなく世界でも販売していきたい」と話していました。
この店舗は来月(7月)3日まで阪急うめだ本店で開かれています。

【「売らない店舗」広がる】
阪急うめだ本店にオープンした今回の店舗は、商品を展示したり試したりする機能に特化した、いわゆる「売らない店舗」となっていて、商品が欲しい場合は、ネットで予約や購入をする仕組みです。
こうした「売らない店舗」は去年、ファッション通販サイト大手の「ZOZO」が試着に特化した店舗を東京都内にオープンさせたほか、デパートなどでも設置するところが相次いでいます。
▼消費者にとっては、実際に手にとって商品の使い心地などを知ることができる一方で、▼ベンチャー企業などにとっては、実店舗を構えたり、在庫を抱えたりするコストをかけずに消費者にアプローチできるというメリットがあります。
「売らない店舗」を運営する「ベータ・ジャパン」の北川卓司 社長は「客は新しい発見や体験をすることができ、ベンチャー企業などからすると、客と接することで今後の商品開発に生かすこともできる。新しい小売りの形として『売らない店舗』を今後も増やしていきたい」と話していました。