関西の鉄道 防犯カメラ設置 首都圏より遅れ

首都圏の鉄道で列車内の襲撃事件が相次いだことを受けて、関西の大手鉄道会社は、安全対策として防犯カメラの設置を進めていますが、首都圏と比べると設置が遅れているのが現状です。

このうち、▼南海電鉄は、今月から通勤列車を対象に防犯カメラの車内での運用を始めました。
ドアの上部にカメラが4台設けられていて、会社は、2028年度末までに観光列車などを含むすべての車両に設置する計画です。
南海電鉄運輸車両部の河畑亮太郎主任は「車内での犯罪行為が起きているので、より安全・安心に乗車できるようにしたい」と話していました。
▼近畿日本鉄道も今年度は117両の一般車両に設置し、すでに導入している特急列車とあわせて、設置率をおよそ10%まで高めることにしています。
このほか、▼JR西日本では、山陽新幹線での設置率はおよそ96%、京阪神地区を走る「近郊列車」は先月末の時点でおよそ30%となっています。
▼大阪メトロはおよそ28%、▼京阪電鉄の京阪線でおよそ8%で、今後、新型車両の導入などにあわせて設置する方針です。
▼阪急電鉄と阪神電気鉄道は、去年から試験的に設置して性能面などの検証を行っています。
首都圏では、すでに設置率が100%となっている鉄道会社もあり、関西の鉄道各社は取り組みが遅れているのが現状です。
国は、利用者が一定以上の路線を走る車両などを対象に、新たに導入する車両に設置を義務づける方針で、関西でも取り組みが加速するか注目されます。