大阪 ロッカーに赤ちゃんの遺体遺棄の罪 母親に懲役2年求刑

大阪・淀川区で生まれてまもない赤ちゃんの遺体をコインロッカーに遺棄した罪に問われている33歳の母親の裁判が開かれ、母親は、「生活で精いっぱいで頼れる人もおらず、育てるのは難しいと思った」と述べました。
これに対し検察は、「生命を軽視している」などとして、懲役2年を求刑しました。

住所不定の谷口成美被告(33)は、ことし1月末、出産したばかりの自分の赤ちゃんの遺体をトートバッグに入れて大阪・淀川区にあるコインロッカーに遺棄したとして死体遺棄の罪に問われています。
23日、大阪地方裁判所で開かれた裁判で被告は、「生活で精いっぱいで、頼れる人もおらず、健康保険証も失効し、妊娠についてどこに相談すればいいのか分からなかった。育てるのは難しいと思い、量販店でバッグを買って、駅近くのコインロッカーに入れた。赤ちゃんには申し訳ないと思っている」などと述べました。
これに対し検察は、「生まれた子どもに名前もつけず、抱きかかえることもせず、コインロッカーに入れていて、生命を軽視している。また、出産直前にトートバッグを購入しており、計画性も高い」などとして、懲役2年を求刑しました。
一方、弁護側は、「被告は反省しているほか、今後、公的な支援を受けながら自立する意思もあり、再犯のおそれはない」などとして、執行猶予付きの判決を求めました。
判決は来月(7月)7日に言い渡されます。

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