高層階火災想定 近く解体の「大阪マルビル」で消火・救助訓練

大阪市消防局は、近く解体される予定の「大阪マルビル」で、高層階での火災を想定した本番さながらの消火と人命救助の訓練を行いました。

訓練には、大阪市北消防署の消防隊員など、およそ30人が参加しました。
26階のホテルの客室から火が出て、逃げ遅れた人がいるという想定で訓練は行われ、1階から駆けつけた隊員は煙が立ちこめて視界が悪いなか、赤外線カメラで辺りを確認して現場の部屋へと進みました。
そして、専用のカッターを使うなどして鍵がかかったドアを開け、逃げ遅れた人に見立てた人形を部屋の外へと搬送しました。
また、30階のレストランのちゅう房からも出火したとして、建物の送水管に持ち込んだホースをつなぎ、放水しました。
訓練会場となったのは、梅田のシンボルとして親しまれてきた地上30階建ての「大阪マルビル」で、老朽化に伴う建て替え工事のため、先月(5月)閉館し、近く、取り壊されることになっています。
大阪市北消防署の堀田晋吾 特別救助隊長は、「こうした高層建築物に設置された数多くの消防用設備を使って訓練をする機会はほとんどなく、大変、貴重です。今回の経験をふまえ、災害対応能力の向上に努めます」と話していました。
「大阪マルビル」での大阪市消防局の訓練は、今月(6月)28日まで行われる予定です。