起きたのは化学テロ? 想定を知らせずに消防訓練 大阪 枚方

2025年の大阪・関西万博に向けて化学テロに備える消防の訓練が大阪・枚方市で行われました。
用意された想定は意外な結末を迎えるものでした。

この訓練は、枚方市にある旧・北大阪商工会議所の解体予定の建物で行われ、枚方寝屋川消防組合の消防隊員などおよそ50人が参加しました。
想定を事前に参加者に知らせない「ブラインド型」と呼ばれる訓練で、クリーニング工場からの「爆発した」という通報で始まりました。
かけつけた隊員たちは、有毒ガスを測定して安全を確認しながら建物の奥へ進み、けが人のいる場所までたどり着きます。
訓練が進むにつれ、爆発が起きた際の状況が少しずつ明らかになり、薬剤のようなものが入ったアルミ缶が突然破裂し、周囲にいた人たちが薬剤を浴びたことが分かりました。
隊員たちは、けが人をいったん建物の外の仮設テントまで搬送して薬剤を水で洗い流すなど、状況に応じた対応を進めていきました。
その後、さらに詳しいいきさつが判明し、アルミ缶に入っていたのはクリーニング工場で使われている洗剤で、従業員が持ち帰ろうと缶に入れた結果、破裂したことが明らかになりました。
想定は、先月、東京の西新井駅で起きた実際の事件を参考に作られたということです。
枚方寝屋川消防組合枚方消防署の村尾隆之 1部指揮隊長は、「これまで行ってきた訓練とは違うところもあり、情報の共有が大事だと分かりました。今後も訓練を重ねていきたい」と話していました。