大津 紫式部ゆかりの石山寺「縁起絵巻」11年ぶり全巻公開

紫式部が源氏物語の構想を練ったとされる大津市の石山寺で、寺にまつわる出来事が描かれた「石山寺縁起絵巻」が、11年ぶりに全巻そろって公開されています。

「石山寺縁起絵巻」は、石山寺の成り立ちや寺にまつわる出来事を描いたもので、国の重要文化財に指定されています。
鎌倉時代に絵巻の制作が始まって来年(2024年)で700年になるのを記念して、11年ぶりに7巻すべてがそろって公開されています。
このうち4巻には、紫式部が寺に滞在していたとき、本堂から松や建物ごしにびわ湖に映る月を眺め、源氏物語の一節を思いついたとされる場面が描かれています。
また、5巻には大切な文書を誤って「瀬田の唐橋」から落とした人が石山寺に参拝すると、コイを買い求めるようお告げを受け、購入したコイのおなかから文書が出てきたという伝説が描かれています。
石山寺の田中水萌 学芸員は「全巻そろっての展示は久しぶりなので、多くの人に見てもらいたい」と話していました。
絵巻は、今月(6月)末まで石山寺の豊浄殿で公開されています。