大阪・関西万博の入場料 大人7500円に

再来年(2025年)の大阪・関西万博の入場料について実施主体の博覧会協会は、会期中に販売する大人1人の入場券を7500円とする方針を決めました。
来場者が比較的少ないことが予想される会期の前半は、前売券の料金を低く設定していて早い時期の来場を促すねらいです。

博覧会協会は、14日、大阪市で開いた理事会で入場料について協議し、会期中に販売する入場券について、▼大人は7500円、▼12歳以上17歳以下は4200円、▼4歳以上11歳以下は大人の4分の1の1800円、▼3歳以下は無料とすることを決めました。
また、年内に販売を始める前売券は、割引を適用しています。
これまでの万博では会期の前半、来場者が少ない傾向があるとして、▼開幕後3か月間は入場料を大人5000円、中でも、▼開幕直後の2週間については大人4000円と、料金をより低く設定して来場を促したいとしています。
このほかにも、週末の混雑を緩和するため平日の入場料を低く設定していて、今後、修学旅行や団体を対象にした割引も検討する方針です。
博覧会協会の会長を務める経団連の十倉雅和会長は、理事会後の会見で、「できるだけ多くの人に来てもらえるような価格にした。特に子どもには来てほしいので、思い切った設定にした」と述べました。
万博の入場料の設定は、近く閣議で正式に決定されます。

【街の人の受け止めは】
再来年の大阪・関西万博の入場料について、街の人はどう受け止めたのでしょうか。
大阪の繁華街・ミナミで聞きました。
大阪市に住む30代の女性は「7500円は少し高い気はするけれど、万博には行ってみたいので買えるならばそのくらい出してもいいかなと思います。そこから割引があるんだったら『あり』やと思います」と話していました。
静岡県から来たという50代の女性は「行きたい人は早く買うんじゃないかと思うので、時期によって値段の変動があってもいいかなと思います」と話していました。
神戸市に住む40代の会社員の男性は「選べるのであれば入場料は4000円のプランがいいです。7500円は高いですね。せっかく万博があるので会場を訪れてパビリオンを見て回りたいと思っています」と話していました。
一方、50代の男性は「物価が高くなり、給料が上がっていない状態なので、入場料は3000円くらいが妥当なのではないか」と話していました。
また、滋賀県から来たという20代の会社員の男性は「万博の内容をあまり知らないので、料金はそれしだいかなと思います」と話していました。

【大阪知事“安いと思う万博に”】
大阪府の吉村知事は、記者団に対し「前売り券など、買い方によっては、行きやすい価格になっており、子どもたちも行きやすい料金設定になっていると思う。万博の中身をすばらしいものにして、『これだったら安い』と思われるような万博を実現したい」と述べました。
そのうえで、府として、万博の期間中に府内の子どもたちを1回、無料で招待したいという意向を重ねて示しました。

【各種料金の詳細】
入場料について博覧会協会は、多くの人が来場しやすくすることと、後半に偏りがちな混雑を緩和することを目的にさまざまな割引を設けています。
基本となる入場券の料金は会期中に販売される「一日券」で、▼18歳以上の大人が7500円、▼12歳以上17歳以下が4200円、▼4歳以上11歳以下が1800円で、▼3歳以下は無料となっています。
会期中に販売される入場券のうち比較的すいていることが予想される平日は割引が適用されます。
この「平日券」は、▼大人6000円、▼12歳以上17歳以下は3500円、▼4歳以上11歳以下が1500円です。
年内に販売がはじまる前売券では、すいていることが予想される会期前半に入場する場合は価格がより安く設定されています。
開幕の2025年4月13日から2週間以内に入場する「開幕券」は、▼大人が4000円、▼中高生が2200円、▼子どもが1000円で、基本の料金の半額ほどで今回発表された料金では最も安くなっています。
また、開幕からおよそ3か月以内に入場する「前期券」は、▼大人が5000円、▼中高生が3000円、▼子どもが1200円となります。
このほかにも▼期間中に混雑する日を除いていつでも来場できるチケットや▼遠足や修学旅行向けの団体割引の販売も検討しているということです。

【警備費増加で上振れ】
万博の入場券の大人1人あたりの基本料金は7500円となりましたが、去年6月ごろには、6000円前後で検討されていました。
上振れした背景にあるのが、警備費を含む運営費の増加です。
6000円前後と検討していたころからこれまでのあいだに安倍元総理大臣が銃撃された事件が起きたほか、去年10月には韓国・ソウルの繁華街で多くの死傷者が出た群集事故がありました。
こうした事態を防ぐために、要人の警護や来場者の誘導など警備態勢を強化することになりましたが、万博の基本計画では警備費を含む運営費の大半を入場券の売り上げでまかなうことになっています。
さらに、物価や人件費の高騰も運営費を押し上げていて、こうしたことが入場料の設定に影響した形です。

【いろいろな入場料は】
大阪・関西万博では、会期中に販売する入場券が大人1人あたり7500円となりますが、ほかの入場券はどのようになっているのでしょうか。
これまでに国内で開催された万博では、▼1970年の大阪万博では、大人1人あたりの入場券は800円で、▼2005年に愛知県で開かれた万博では、4600円でした。
また、▼万博の会場に近いUSJ=「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の1日券は、8600円以上、▼東京ディズニーリゾートの1日券は7900円から9400円の間となっています。