関電「高浜原発 使用済み核燃料一部を搬出」福井県に伝える

関西電力の森望社長は12日、福井県庁を訪れ福井県高浜町にある高浜原子力発電所から出た使用済みのMOX燃料などをフランスで再処理する計画を伝えました。
森社長は、使用済み核燃料を福井県外へ搬出するという県との約束を果たしたという認識を示しましたが、大半は搬出の見通しが示されず、杉本知事は態度を保留しました。

関西電力の森社長は福井県庁で杉本知事と面会し、高浜原発3・4号機で使用した「MOX燃料」のうちおよそ10トンを、ほかの使用済み核燃料およそ190トンと合わせて、2020年代後半までにフランスに搬出し、再処理する計画を伝えました。
福井県内にある関西電力の原発では大量の使用済み核燃料が保管され、貯蔵できる容量の8割を超えていて、福井県は関西電力に県外への搬出を求めています。
関西電力は搬出先となる「中間貯蔵施設」の候補地を年内に確定させる考えを示していましたが、森社長は、今回、一部の搬出先が決まったとして、「中間貯蔵施設と同等の意義があり、福井県との約束はひとまず果たされた」と説明しました。
ただ、再処理されるのは福井県内にある関西電力の原発で保管されている使用済み核燃料の5%ほどで、大半は搬出の見通しが示されませんでした。
面会のあと、杉本知事は、関西電力の説明を受け入れるか問われたのに対して、「国や原発が立地する自治体の意見なども聞いた上で総合的に判断したい」と述べるにとどめ、態度を保留しました。