近畿日本ツーリスト 過大請求問題 詐欺の疑いで警察が捜索

近畿日本ツーリストが、東大阪市などから委託を受けた新型コロナウイルスのワクチン接種のコールセンター業務で人件費を偽り過大請求していた問題で、警察が6月1日、詐欺の疑いで大阪市や静岡市などの支店に家宅捜索に入ったことが捜査関係者への取材でわかりました。

近畿日本ツーリストは、新型コロナのワクチン接種のコールセンター業務などで人件費を偽り、東大阪市など全国の自治体などから少なくともおよそ14億7000万円を過大請求していたことが、会社の調査で明らかになっています。
それによりますと、大阪・浪速区の支店では、業務をめぐって再委託先の会社に対して東大阪市の指定よりも少ないオペレーターの人数を発注し、市には、元の人数の人件費を請求していたということです。
再委託先には、勤務実績の改ざんを依頼していたということです。
こうしたことから大阪府警が1日、詐欺の疑いで大阪・浪速区や静岡市などの支店に家宅捜索に入ったことが捜査関係者への取材でわかりました。
警察が詳しいいきさつを調べています。

【会社“全面的に協力”】
近畿日本ツーリストは「警察の捜査に全面的に協力させていただきます」とコメントしています。

【親会社社長“心よりおわび”】
近畿日本ツーリストが、自治体から委託された事業で人件費を過大に請求していた問題について、親会社のKNTーCTホールディングスの米田昭正 社長は、6月1日の決算会見の冒頭で「関係者や社会の皆様に、多大なご迷惑とご心配をおかけしていることに心より、深くおわびします」と陳謝しました。
そのうえで、警察が6月1日、詐欺の疑いで近畿日本ツーリストの大阪市や静岡市などの支店に家宅捜索に入ったことについて、米田社長は「警察の捜査が入ったことは誠に遺憾で、責任を痛感している。警察の捜査には、全面的に協力するよう、指示を出した」と述べました。
また、近畿日本ツーリストは、先月(5月)2日の記者会見で、最大でおよそ16億円を過大請求した可能性がある、としていましたが、会社側はこれまでの調査で過大請求の可能性があるのは、最大でおよそ14億7000万円だと発表しました。