国立循環器病研究センター元室長 懲戒解雇相当の処分に

大阪にある国立循環器病研究センターの元室長が発表した論文に実験データのねつ造などがあったと認定された問題で、センターは元室長を懲戒解雇相当の処分にしたことを明らかにしました。

この問題は、大阪・吹田市にある国立循環器病研究センター研究所の神谷厚範 元室長が4年前に発表したがんに関する論文について、実験に必要なマウスの数に比べ購入するなどした数が大幅に少なく実験を行うことは不可能だとして、100か所以上のデータがねつ造や改ざんの研究不正にあたると認定されたものです。
これについて国立循環器病研究センターは、「センターの信用や名誉を傷つけ、社会に与えた影響も大きい」などとして、元室長を懲戒解雇相当の処分にしたと発表しました。
元室長はその後勤務していた岡山大学ですでに懲戒解雇されていて、今回の処分に伴って国立循環器病研究センターは退職金の返金を求めるということです。
また、センターは元室長に対して論文の撤回を勧告していますが、論文は今も取り下げられていないということです。
国立循環器病研究センターの大津欣也理事長は「研究者として決して許されるものではなく、深くおわび申し上げます。職員に対し研究倫理に関するルールの順守を再度徹底し、再発防止に取り組みます」とするコメントを発表しました。