ブルーリボンのバッジ“法廷で着用認められず不当”の訴え棄却

ブルーリボンのバッジ“法廷で着用認められず不当”の訴え棄却

大阪地方裁判所堺支部で行われた民事裁判の当事者が、北朝鮮による拉致被害者の救出を願う「ブルーリボン」のバッジを法廷でつけないよう命じられたのは不当だと訴えた裁判で、大阪地方裁判所は、訴えを退けました。

訴えを起こしていたのは大阪の不動産会社、「フジ住宅」の会長ら3人で、8年前(平成27年)に、この会社で働く在日韓国人の女性が、民族差別的な言葉が書かれた業務日報などが会長名で繰り返し配られたことをめぐり大阪地方裁判所堺支部で別の民事裁判を起こし、去年(令和4年)9月、会社側に賠償と、文書を配布しないよう命じた判決が確定しています。
この民事裁判の途中、女性の支援者が差別的行為の禁止を意味する缶バッジをつけて傍聴したのに対し、会長の支援者が日の丸などが描かれた缶バッジをつけて法廷に入ろうとして、裁判所からメッセージ性のあるバッジなどは双方とも外すよう命じられたうえ、その後、北朝鮮による拉致被害者の救出を願う「ブルーリボン」のバッジの着用も認められなくなったということです。
会長ら3人は、「裁判所の権限を逸脱している」などと主張して、国に賠償を求めていました。
5月31日の判決で、大阪地方裁判所の達野ゆき裁判長は、「主義主張の対立が顕在化しバッジの着用をめぐり、実際にいさかいが生じていた。法廷ではバッジの着用などで表現行為をすることは予定されておらず、法廷の秩序を守るための裁判長の権限を著しく逸脱しているなどの特段の事情はない」として訴えを退けました。