宇治市の「ウトロ平和祈念館」 開館1年で記念の式典

在日コリアンが多く暮らす京都府宇治市のウトロ地区に、地域の歴史を伝える展示施設がオープンしてから1年となる30日、記念式典が開かれました。

「ウトロ平和祈念館」は、戦時中、飛行場建設に従事した朝鮮半島出身の労働者の子孫らが暮らすウトロ地区の歴史を語り継ぎ、平和について考えてもらおうと、建てられた施設で、中には、当時の生活雑貨や写真などおよそ100点が展示されています。
オープンしてちょうど1年となる30日、記念式典が開かれ、関係者など100人余りが集まりました。
式典では、初めに、ウトロ地区で暮らす人たちがチマチョゴリ姿で、朝鮮半島伝統の打楽器などを手に持ち、演奏を披露しました。
続いて、施設を運営する財団の郭辰雄理事長が挨拶し、「地区の歴史を知ったり地元の人と交流したりしてもらえたことが本当にうれしいです。これからも、様々な立場の人が理解を深めていける施設にしていきたい」と述べました。
施設には、これまでにのべ1万3000人以上が訪れたということです。
「ウトロ平和祈念館」の金秀煥副館長は「オープンから無事に1年を迎えることができました。今後も、人権について、多くの人に考えてもらえるよう取り組んでいきたい」と話していました。