京都の神護寺で国宝のまんだらの江戸時代作模写 初の一般公開
平安時代に創建された真言宗の寺院、京都市の神護寺で、空海ゆかりの国宝のまんだらの江戸時代中期に作られた模写が29日から初めて一般に公開されています。
京都市右京区の神護寺は、空海が制作に関わったとされ、「高雄曼荼羅」の名前で知られる国宝の「紫綾金銀泥絵両界曼荼羅図(むらさきあや きんぎんでい え りょうかい まんだらず)」を所蔵し、このほど、6年をかけて行われた大規模な修復が終わりました。
博物館で保管されているため、寺は、多くの人にまんだらを知ってもらおうと、江戸時代中期に作られた原寸大の模写を、初めて一般に公開することになりました。
「金剛界(こんごうかい)曼荼羅」と「胎蔵(たいぞう)曼荼羅」という2幅で、それぞれ縦と横が4メートルほどもあり、悟りと慈悲の世界が表現されています。
金と銀の線で描かれ、銀は、腐食して黒ずんでいるものの、描かれた部分は見て取れるということです。
神護寺の谷内弘照貫主は「模写といっても、江戸時代に、当時の天皇の勅願で作られた貴重なもので、金と銀の線で、非常にシンプルに表現された仏教の世界観を感じていただきたい」と話していました。
この模写は、29日から5月9日まで公開されます。