ことしの大型連休 傾向は
ことしの大型連休、カレンダーを見ますと、5月の1日と2日を休むと9連休になります。
大手旅行会社のJTBがアンケートなどをもとに4月25日から5月5日までの旅行の見通しを調べました。
1泊以上の国内旅行をする人は、のべ2450万人と試算されています。
去年の同じ時期と比べて53%多く、コロナ禍前と同じ水準まで回復する見通しだということです。
ことしの大型連休、みなさん、どちらに行くのでしょうか。
観光客を受け入れる側の準備とともに取材しました。
【どこに旅行に?】
ことしの大型連休の期間中、どこに旅行に行くのか、大阪・梅田で聞きました。
幼い子どもを連れた女性は「奈良に行きます。子どもがいるので近場です。ホテルとか高くなっているのでその影響もあります」と話していました。
また、男性は「京都に行きます。忙しいので体力を使わない程度に旅行に行きたくて近場にしています」と話していました。
子どもと一緒の女性は「実家の母と沖縄に1週間ぐらい行きます。新型コロナもおさまってきていて遠出もしやすいです」と話していました。
30代の女性は「東京に祖父母が住んでいるので会いに行きます。新型コロナがおさまってきているので前よりは行きやすいです」と話していました。
【近場傾向根強く 物価高影響か】
大阪・東住吉区の旅行会社「摂陽観光」によりますと、ことしの大型連休は、北海道方面や九州方面など遠距離の旅行先を予約する人もいる一方で、三重の伊勢志摩や兵庫の淡路島など近場の旅行先を予約する人も多いということです。
会社では、理由としては、物価高の影響があるとみています。
コロナ禍では、感染を警戒して居住地から近い場所を旅行先として選ぶ傾向がありましたが、ことしは物価高に伴って日常生活の負担も増すなか、比較的手ごろな近場を好む傾向が出ているとみられます。
摂陽観光の藤原雅彦 社長は「少しずつ企業団体の予約が増えてきている。この大型連休が転機になって、コロナ前の状況に戻るように期待したい」と話しています。
【水陸両用バスツアーも期待】
大阪市内で水陸両用バスを使ったツアーを行っている観光会社もことしの大型連休の集客に期待しています。
大阪市内で行われている水陸両用バスツアーは、およそ1時間かけて市内の観光地を巡り、水の都・大阪を陸上からだけでなく水上からも観光できることが魅力のバスツアーです。
3年前やおととしの大型連休では、新型コロナの感染拡大でほとんど営業ができませんでしたが、感染状況が落ち着くなか、客足が戻りつつあるということです。
ことしの大型連休の期間中は、すでに満席となっている時間帯も多く、さらなる集客に期待しています。
ツアーを運営する会社の須知翔太朗 取締役は「お客さんの皆さんも我慢してきた数年間だと思うので、その気持ちを晴らすことができるよう、楽しいものを提供していきたい」と話していました。
【連休に京都のホテル期待】
国内有数の観光地、京都市内のホテルでは、大型連休を前に、家族向けの宿泊プランを用意するなど、さらなる宿泊客の呼び込みに期待を寄せています。
京都市下京区の客室489室のホテルでは、新型コロナの感染が拡大した3年前(2020年)の大型連休の時期は、宿泊の予約数が前の年の1割以下にまで落ち込みました。
ことしは今月29日から来月(5月)7日にかけて、すでに8割ほどの客室が埋まるなど需要が高まっています。
ホテルによりますと、関東からの予約が多い一方、最近は欧米中心に海外の観光客も増えているということです。
さらにホテルでは、この大型連休で宿泊客を呼び込もうと、子ども連れの家族を対象に、ケーキを部屋で手作りできる宿泊プランを用意しました。
ホテルでは、感染拡大が続いたこの3年間で、スタッフの退職が相次ぎ、従業員が1割ほど減ったということです。
行動制限が緩和されたことしは、グループで110人余りの新入社員を採用し、このホテルにもすでに14人が配属されているということです。
ホテルの疂谷恵介 副総支配人は「ことしの大型連休は早くから多くの予約が伸びているというところからも、旅行を待ち望んでいるのではないかと思う。一人一人のお客様に京都に来て良かったな、また来たいなと思っていただけるように、しっかり努めたい」と話していました。
【コナモンイベント4年ぶり開催準備】
大型連休を前に、たこ焼きやお好み焼きなど「粉もん料理」を広くPRしようというイベントが、4年ぶりに大阪・ミナミで開催されることになり、準備が進められています。
このイベントは、たこ焼きやお好み焼きなど「粉もん料理」の食文化の継承活動を行う日本コナモン協会が主催し、ことしは4年ぶりに今月(4月)28日に大阪・ミナミで開かれます。
会場では、ミナミの飲食店の店主たちが焼きそばやたこ焼きなど、「こな」にちなみ570食分を無料でふるまう予定です。
日本コナモン協会では、近くのビルや飲食店にイベントを知らせるポスターを掲示するなど準備を進めています。
日本コナモン協会の熊谷真菜 会長は「5月7日はコナモンの日。本当に粉もんがおいしく食べたい季節です。食文化を理解してもらうには実際に食べてもらうことが大切で、イベントができないというのは致命的でした。若い人から大人まで『粉もん』を味わってもらい、やっぱり大阪ええなと思ってほしいです」と話していました。