大阪の「カジノを含むIR」整備計画 政府 認定の方向で調整

大阪の「カジノを含むIR」整備計画 政府 認定の方向で調整

カジノを含むIR=統合型リゾート施設について、政府は、2029年の開業を目指すとした大阪府と大阪市の整備計画を認定する方向で調整を進めていることが分かりました。
計画が認定を受ければ初めてとなります。

IRは、カジノのほか、国際会議場やホテルなどを備えた統合型の大規模なリゾート施設で、去年4月、誘致を目指す大阪府と大阪市、それに、長崎県の整備計画が国に申請されました。
観光庁が設置した有識者による委員会が、事業者の財務の安定性や、ギャンブル依存症への対策などについて審査を続けてきた結果、大阪府と大阪市の整備計画は認定に必要な要件を満たしていると判断したことが関係者への取材で分かりました。
これを受けて、政府は近くIR推進本部の会合を開き、正式に認定する方向で調整しています。
計画では、大阪湾の人工島「夢洲」に初期投資として1兆円余りを投じてカジノや国際会議場などを整備し、2029年の秋から冬ごろの開業を目指すとしています。
IRの整備計画が政府の認定を受ければ初めてとなります。
正式な認定のあとカジノ施設の運営については、内閣府の外局として設置された「カジノ管理委員会」の審査が必要となりますが、今後、施設の整備などが進められる見通しです。
一方、長崎県の整備計画については、有識者の委員会が審査を続けています。

【街の人は】
これについて、大阪市内で受け止めを聞きました。
このうち、貝塚市に住む45歳の女性は、「IRはカジノのイメージしかなく、自分の子ども世代が依存症に巻き込まれないかという不安はすごくあります。雇用などで、メリットはあると思いますが、依存症などを考えるとカジノのリスクは大きいと思います」と話していました。
堺市に住む49歳の会社員の男性は、「海外の人が日本に来ると思うので、そういう面で期待しています。計画を進めていくと問題点が出てくると思いますが柔軟に対応して、府民がIRを受け入れられるようになっていけばいいと思います」と話していました。
大阪市に住む33歳の会社員の男性は、「IRができて、街に活気が出てお金が落ちてくるのはいいことだと思います。お金持ちが行くところというイメージが強いのですが、家族でもテーマパークとして楽しめるようなものがあれば私自身も行ってみたい」と話していました。

【大阪市長“住民に説明尽くす”】
大阪市の横山市長は記者団に対し、「国から正式な通知はないが、開催地の自治体としては前向きにとらえ、成功に向けて集中したい。これからも住民の皆さんにより理解してもらえるよう、説明を尽くしていきたい」と述べました。