無罪確定の不動産会社前社長の付審判請求 大阪地裁が棄却

大阪地検特捜部に逮捕・起訴され裁判で無罪が確定した不動産会社の前社長が、検事が違法な捜査を行ったとして特別公務員暴行陵虐の疑いで刑事裁判を開くよう求めた申し立てを、大阪地方裁判所は退けました。
一方で、裁判所は、「長時間、一方的に関係者を責めたて続けた検事の取り調べは精神的な苦痛を与える行為で、取り調べの範囲を超えて悪質だ」と強く非難しました。

4年前、横領事件に関わったとして大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、裁判で無罪が確定した大阪の不動産会社の前社長は、50歳の検事が、前社長の部下を脅す違法な取り調べをしたと主張して特別公務員暴行陵虐の疑いで刑事告発しましたが、大阪地検は去年6月、嫌疑不十分で不起訴にしました。
これを不服として前社長は、公務員の事件について刑事裁判を開くよう求める「付審判請求」を申し立てました。
これについて、大阪地方裁判所の佐藤弘規裁判長は、3月31日、判断を示し、「検事が机をたたき、どなり、長時間、一方的に前社長の部下を責めたて続けたことは、精神的な苦痛を与える行為で、みずからの意に沿う供述を無理強いしようとしている。取り調べの範囲を超えて悪質で、強い非難を向けなければならない」と指摘しました。
しかし、「こうした言動は取り調べの一部であり、部下も『怖いともつらいとも思わなかった』と供述したことなどから不起訴は相当だ」として、申し立ては退けました。
【弁護団「検察に厳しい指摘」】
大阪地方裁判所の決定について、前社長の弁護団は「検察庁は裁判所の厳しい指摘を真摯に受け止め、再発防止策を早急に検討すべきだ」とコメントしています。
一方で、裁判所が、特別公務員暴行陵虐の疑いがあると明言しながらも、申し立てを退けたことについては「本来、不起訴という判断はありえない」として不服だとしています。