サニタリーボックス 男性用トイレにも設置の動き

サニタリーボックスについてです。
女性の生理用品などトイレに流せないものを捨てるために設置されているイメージがありますが、実は最近、男性用トイレにも設置されるようになってきています。
どんな事情があるのでしょうか。

【ホテルに男性用サニタリーボックス】
サニタリーボックスといえば、女性の生理用品などトイレに流せないものを捨てるために設置されているイメージがありますが、大阪市内のホテルでは今月(3月)から病気でおむつを使用する人などのために男性用のトイレにも設置を始めました。
男性用トイレにサニタリーボックスを設置したのは、大阪・北区のリーガロイヤルホテルです。
きっかけは宿泊した男性客から「客室に尿漏れパッドを置いて帰りたい、処理に困っている」といった内容のアンケートが寄せられたことです。
ホテルでは、宿泊客だけでなく、飲食や宴会、それに結婚式などでホテルを利用する客にも必要とする人がいるのではないかとして、今月から、ロビーや宴会場などおよそ50か所の男性用トイレに新たにサニタリーボックスを設置しました。
また、従業員にも同様の悩みを抱えている人がいたことがわかり、一部の従業員用の男性トイレにもサニタリーボックスを設置しました。
中川智子総支配人は「そうしたニーズにこれまで気がついていなかった。ホテルを利用した方がおむつなどを家まで持ち帰るのではなく、ホテルの中で処理できるようにしたい。男性だけでなく、性的マイノリティーの方たちの役にも立つのではないか」と話しています。

【“困っている人知ってほしい”】
日本トイレ協会が去年(令和4年)インターネットを通じて行ったアンケート調査によりますと回答した男性300人余りのうち、12%が尿漏れパッドやおむつなどを使用していると回答しました。
さらにそのうちの7割近くはトイレにサニタリーボックスがなくて困った経験があると答えたということです。
調査を行った日本トイレ協会の砂岡豊彦さんは自らもサニタリーボックスの必要性を切実に感じた経験があります。
かつて股関節の病気で、使っていた座薬が漏れるのを防ぐため女性用のナプキンを使用していましたが、外出先ではその処理に困ったということです。
砂岡さんは「出張が多かったので訪問先を一日中、まわっていたがゴミ箱はどこにもないのでバックに入れて持ち歩くしかなく、つらかった」と話していました。
日本トイレ協会によりますと、男性に多い、前立腺がんの手術の後遺症などのため外出先で尿漏れパッドなどを捨てる必要がある人は少なくないということです。
男性用トイレへのサニタリーボックスの設置は、全国のおよそ280の自治体の庁舎などで進んでいますが、民間の施設では一部にとどまっているということです。
砂岡さんは「まずは男性でも困っている人がいることを知ってほしい。日本トイレ協会としてもショッピングセンターやデパート、駅などにどんどん設置するよう推進したい」と話しています。

【専門家“ジェンダー観点でも”】
こうした動きについて、世界のトイレ事情などに詳しい、大阪大学人間科学研究科の杉田映理教授は、「いわゆるトランスジェンダーの方で男性用トイレを使っているけれども月経がある人という方も一定数いる。当事者が言えない、または言いにくい、恥ずかしいと言う気持ちがあるから、後回しにされる状況があったのかもしれない。男性も女性も、より社会生活を送りやすい安心して外出できるような状況が起きるのはとてもよいことだと思っています」と話しています。