司法解剖費用架空請求など詐欺の罪 近大元教授に懲役7年求刑
司法解剖に伴う検査費用などを架空請求し、大阪府警から3700万円余りをだまし取ったなどとして複数の詐欺の罪に問われている近畿大学の元教授に対して、検察は「専門知識を悪用して多額の公金をだまし取り、検査への信頼を裏切り続けた」として、懲役7年を求刑しました。
一方、弁護側は大阪府警への詐欺について無罪を主張しました。
近畿大学医学部の元教授、巽信二被告(68)は、▼遺体の司法解剖に伴う検査費用などを部下と共謀して架空請求し、大阪府警から3700万円余りをだまし取ったほか、▼医療用品の購入を装って大学からも4900万円余りをだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われています。
巽元教授はこれまでの裁判で、大学への詐欺は認めた一方、大阪府警への詐欺については「やっていません」などと無罪を主張しています。
大阪地方裁判所で開かれた13日の裁判で、検察は「専門知識を悪用して多額の公金をだまし取り、検査への信頼を裏切り続けた。大学への詐欺も計画的で、巧妙な犯行を主導した責任は重い」として、懲役7年を求刑しました。
一方、弁護側は「不正な請求を決意した部下とのやりとりについて、検察の立証が抽象的だ。共謀の事実はない」として、大阪府警への詐欺について改めて無罪を主張し、執行猶予のついた判決を求めました。
判決はことし6月14日に言い渡されます。