日航機墜落事故遺族の女性が自身の体験を絵本に 大阪で朗読会

520人が犠牲になった日航ジャンボ機の墜落事故で、夫を亡くした女性が自身の体験を元に作った絵本の朗読会が大阪・此花区で開かれました。

この朗読会は、大阪市立こども文化センターが子どもたちに命について考えてもらいたいと開いたもので、12日は、昭和60年に起きた日航ジャンボ機墜落事故で、当時40歳だった夫を亡くした大阪・箕面市の谷口真知子さん(75)が自身の体験をつづった絵本、「パパの柿の木」を朗読しました。
絵本では、仲のよかった家族が突然の事故で夫を亡くし、大きな悲しみに襲われる様子が描かれます。
しかし、生前の夫が子どもたちのために植えた柿の木が事故のあとに初めて実をつけ、励まされたように感じ、前向きになっていく物語で、参加した親子連れは、優しく読み聞かせる谷口さんの朗読に静かに聞き入っていました。
また、朗読会のあとには、この絵本をテーマにした「茜空」という歌も披露されました。
参加した小学5年生の女の子は「怒られることもあるけれど、幸せな日々を送っていることがわかりました。両親に感謝したいです」と話していました。
朗読した谷口さんは「しんどい思いをした人がいることやしんどくても頑張れば新しい日が来るということを、絵本を通じて子どもたちに伝えられたら」と話していました。