新型コロナ遺族ら ともに祈りささげる法要 京都 西本願寺
新型コロナで身近な人を亡くしたものの、感染対策のため最期に立ち会えなかった人などが集まって、ともに祈りをささげる法要が京都市で営まれました。
この法要は、龍谷大学社会的孤立回復支援研究センターの呼びかけで11日に営まれ、京都市下京区の西本願寺には、新型コロナで身近な人を亡くした人をはじめ、医療や介護の従事者などおよそ230人が集まりました。
遺族の中には、▼感染対策のためみとりや葬儀が十分できず、最期に立ち会えなかった悲しみや、▼自分が感染させてしまったのではないかという自責の念を抱えている人もいるということで、法要ではお経が読み上げられる中、参加した人たちは静かに手を合わせて祈りをささげていました。
おととし43歳の弟を亡くした高田かおりさんは、「新型コロナで弔いの儀式ができなかった人はたくさんいて、私自身もやりばのない気持ちを抱えていましたが、少し気持ちの整理ができました」と話していました。
法要を呼びかけた龍谷大学社会的孤立回復支援研究センターの黒川雅代子センター長は「マスクの着用が個人の判断に委ねられるようになるなどポストコロナに向けた議論が始まっていますが、大事な人を亡くした人にとって、その痛みは変わらないため、社会とかい離してしまうおそれがあり、今後もみんなで悼む場を広げていきたいです」と話していました。