万博に向け最先端のデジタル技術を紹介する催し 大阪

バーチャル技術の活用を掲げている大阪・関西万博に向けて、関西の企業が持つVR=仮想現実などの最先端のデジタル技術を紹介する催しが大阪市内で開かれました。

再来年の大阪・関西万博は、「未来社会の実験場」をコンセプトに掲げていて、バーチャル技術が活用されることになっています。
近畿経済産業局では、万博に合わせ、関西の企業や大学が持つ最先端の技術を紹介しようと、2日、大阪・北区でイベントを開きました。
このうち、大阪・豊中市の医療機器メーカーのブースでは、VRを活用したリハビリ機器が展示されています。
仮想空間が映し出されるゴーグルを着けながら、画面に表示される目標に合わせてコントローラーを動かすことで、ゲーム感覚でリハビリに取り組めるようになっています。
和歌山市に本社がある繊維機械メーカーでは、AR=拡張現実などの技術を活用し、デジタルのマネキンに服を着せて、さまざまな角度からイメージやサイズ感を確認できるシステムの開発を進めています。
このシステムを通して客が服のイメージがつかめれば、店舗などで余分な在庫を抱えずに済むようになり、廃棄などを減らせるとしています。
近畿経済産業局総務企画部の小橋厚司 次長は「こうしたイベントを通して、『未来社会の実験場』がどのようなものになるのか、理解を深めるきっかけにしてほしい」と話していました。

【「拡張万博」とは】
再来年(2025年)、大阪湾の夢洲を会場に開かれる大阪・関西万博について、実施主体の博覧会協会は、開催期間中におよそ2800万人が来場すると想定しています。
近畿経済産業局では、万博の会場や開催期間にとらわれず、関西全体の活性化につなげようと、「拡張万博」の取り組みを進めています。
万博に合わせて、関西各地で大規模なイベントや国際会議、それに、中小企業が工場内部を公開する「オープンファクトリー」などを開いて関西全体を「パビリオン化」させる試みで、万博の会場を訪れた観光客などを各地に誘導するねらいがあります。
さらに、関西の企業や大学が持つ最先端の技術などを発信し、販路拡大などにもつなげたい考えです。
一方、大阪・関西万博をめぐっては大阪以外の地域での機運醸成が課題になっていて、「拡張万博」に向けた取り組みが関西全体での機運醸成につなげられるかが焦点となりそうです。