大阪 低体温症の搬送増加 室内が多い 適切に暖房など使用を
厳しい寒さが続く中、大阪市内の病院には体温が30度を下回る「低体温症」で運ばれてくる人が増えています。
患者の多くは高齢者でほとんどが室内で倒れていたということで、医師は暖房を適切に使用することなどを呼びかけています。
低体温症は体の内部の体温が35度未満になるもので、細胞の代謝が抑えられるため心臓の動きが弱くなり、血液が十分に脳にいかず、最悪の場合、死亡するケースもあります。
大阪・住吉区の大阪急性期・総合医療センターには、去年12月からことし1月にかけて21人が「低体温症」で搬送され、このうち2人が死亡したということです。
センターによりますと平均年齢は71歳で▼暖房のついていない部屋やトイレ、玄関などで倒れていたケースが多く、▼28度以下の体温で運ばれてきた重症者も4割を超えているということです。
また、新型コロナに感染して自宅療養していた人が3分の1を占めたということで、去年の年末に搬送されてきた80代のひとり暮らしの男性は新型コロナに感染して自宅療養中に家族が食事を届けに訪れたところ、自宅のベッドの下で倒れていたということです。
厚生労働省の人口動態調査によりますと、国内の低温による死亡者は毎年1000人を超え、熱中症など高温による死亡者より多くなっています。
高度救命救急センターの藤見聡センター長は「低体温症は雪山など外でなると思われがちだが、実際は室内が多くこの冬は搬送されるケースが増えている」と話しています。
また、低体温症になるパターンとして▽転倒して骨折したり▽酒を飲んだあと気温の低い室内でそのまま寝てしまうケースも目立つということで、「電気代が高いという問題もあるが適切な暖房をつけ、ひとり暮らしの高齢者には周囲の人が安否確認や見守りなどをするなど注意してほしい」と話しています。