新型コロナ 子どもの重症患者 半数近くに基礎疾患なし 大阪
新型コロナの子どもの重症患者を多く受け入れている大阪母子医療センターが、これまで治療した患者を分析したところ、全体の半数近くには基礎疾患がなかったことが分かりました。
基礎疾患がない子どもで重い後遺症が残るケースもあり、センターではワクチンの接種などを呼びかけています。
大阪・和泉市の大阪母子医療センターは、府内の小児医療の拠点として新型コロナの子どもの重症患者を多く受け入れています。
センターではオミクロン株が流行したこの1年間(去年1月1日〜今月4日)に受け入れた20歳未満の重症患者50人について分析しました。
50人は年齢別に、▼0歳が最も多く12人、▼次いで1歳が10人、▼7歳と9歳がそれぞれ4人などとなっています。
全体の半数近い23人には基礎疾患がありませんでした。
入院した理由は、▼最も多かったのが呼吸不全によって人工呼吸器などの装着が必要になったケースで24人、▼次いで脳炎や脳症が9人、▼循環不全が8人などとなっていて、基礎疾患がなくても退院後の生活に支障が出るなど、重い後遺症が残るケースもあったということです。
50人のうち、ワクチンを2回接種していたのは4人でした。
分析をした大阪母子医療センターの野崎昌俊 医師は「感染者全体のごく一部とはいえ基礎疾患がない子どもが重症になることもあり注意が必要だ。子どもにうつさないよう周囲が感染対策を徹底することに加え、ワクチンの接種を積極的に検討してほしい」と話していました。