南海電鉄 和歌山港線で自動運転の実証実験へ
将来的な人手不足に備えようと、南海電鉄は、和歌山市内を走る和歌山港線で、列車に運転士が乗務しない自動運転の実現を目指した実証実験を来年度から、行うことにしています。
実証実験が行われるのは、和歌山市の和歌山市駅と和歌山港駅のおよそ3キロの区間を結ぶ南海電鉄和歌山港線です。
南海電鉄よりますと、労働人口の減少で運転士の確保が難しくなる事態に備え、列車に搭載された速度や停止位置を制御する装置と地上に設置された自動停止装置を組み合わせた自動運転の実現を目指しているということです。
また、列車には運転士の代わりに、資格がない係員が乗り、出発時の安全確認や緊急時の停止、それに避難誘導などを行うということです。
実証実験は、来年度から始められる計画で、安全を確保するため客は乗せずに運転士が乗務して加速や減速などが正確に行われるかを確認することにしていて、複数回、走行試験を行うことにしています。
鉄道の自動運転をめぐっては、去年9月、国土交通省が技術的要件などを盛り込んだ指針を公表し、鉄道業界で、自動運転を目指す動きが広がっています。
南海電鉄は、「安心安全な自動運転を提供することで県民の移動手段としてこれからも貢献していきたい」としています。