淀川河口付近のクジラ 死んだこと確認 大阪市が対応検討
今月(1月)9日に大阪湾の淀川の河口付近で見つかったクジラは潮を吹くなどの動きがなく、13日、死んだことが確認されました。
大阪市が、今後の対応を検討しています。
今月9日に大阪・西淀川区の淀川河口付近で見つかったクジラは潮を吹くなどの動きがなくなり、13日午前、大阪市が市内の水族館、「海遊館」の専門家とともに、ゴムボートでクジラの状態を確認しました。
その結果、クジラは呼吸をしていなかったということで、死んだことが確認されました。
このクジラは体長が15メートルほどで、水深の深い外洋に生息するマッコウクジラだということです。
専門家からは、「大阪湾の浅いところまで入り込むのは非常に珍しく、何らかの理由で方向感覚を失って迷い込んだのではないか」という指摘が出ています。
大阪市によりますと、クジラが浜や浅瀬に打ち上げられて死んだ場合は地元の自治体が処分することになっていますが、内湾などに迷い込んで海中で死んだ場合は特に決まりがないということです。
大阪市は、専門家の意見も聞きながら、今後の対応を検討しています。
【担当者“死んだと判断”】
大阪湾のクジラについて、専門家とともに状況を確認した大阪市産業振興課の森拓也さんは、「呼吸がないことを確認してもらい死んだと判断した。クジラが迷い込んだ原因は現時点では分からない。今後の対応についても協議して検討したい」と説明しました。
また、クジラの体長を測ったところ、推定で15メートルとみられるということです。
【大阪市長“撤去の方法を検討”】
大阪市の松井市長は記者団に対し、「かわいそうだが、あのままでは腐敗も進むので、撤去はしないといけない。陸にあげて解体するとか、沖合へ持って行くとか、やりかたはいろいろあり、それぞれにデメリットなどもあると思うので、そうしたところを協議して早急に方法を決めたい」と述べました。
【見物に来ていた人は】
大阪湾の淀川の河口付近で見つかったクジラが死んだと確認されたことについて、近くの防波堤沿いなどに見に来ていた人たちからは「かわいそう」とか「悲しい」といった声が聞かれました。
大阪市内の60代の夫婦は「かわいそうです。生きている間に何かできなかったのかなと思います。今後はどこかの施設で標本として展示されて愛され続けてほしい」と話していました。
近くの職場で働く50代の男性は「きょうで見に来るのは3回目になります。日がたつにつれて衰弱していったので、心配していました。できれば元気に帰ってほしかったので、悲しいです。今後は同じようなことが起きなければいいと思います」と話していました。