司馬遼太郎生誕100年 ファン対象に調査 3作に支持集まる
作家、司馬遼太郎はことし生誕100年となります。
これにあわせて東大阪市の「司馬遼太郎記念財団」が、ファンを対象に好きな作品を調査しました。
とくに3つの作品に圧倒的な支持が集まりました。
数々の歴史小説や随筆、紀行文で知られる司馬遼太郎は、1923年に大阪で生まれ、ことし生誕100年となります。
これにあわせて、東大阪市の「司馬遼太郎記念財団」は、ファンを対象に最も好きな司馬作品についてインターネットでアンケート調査を行い、1567人から回答がありました。
調査の結果、最も人気を集めた作品は、『坂の上の雲』でした。
近代国家として歩み始めた、明治維新から日露戦争までの日本を松山出身の秋山好古・真之の兄弟と正岡子規の3人を軸に描いています。
「まことに小さな国が開化期をむかえようとしている」という書き出しも有名で、中高年や男性を中心に、全体の20%余りの支持を集めました。
次いで人気だったのは、幕末の志士、坂本竜馬の短くも劇的な生涯を描いた『竜馬がゆく』で、およそ15%の支持を集め、男女を問わずすべての世代で幅広い人気でした。
3番目は同じく幕末を舞台にした『燃えよ剣』。
新選組副長として剣に生き、剣に死んだ土方歳三が主人公です。
10%余りの支持を得ましたが、とくに30代以下の若い世代や、女性では、トップの人気でした。
幕末から明治にかけての激動の時代を描いた上位3つの長編小説に全体の半数近い支持が集まる結果となりました。
「司馬遼太郎記念財団」の上村洋行 理事長は、「司馬作品に希望や明るさ、勇気を感じてもらえているようだ。次の世代の方にも作品を読んでもらいたい」と話していました。