日本で最初の「大阪手形交換所」業務終了 143年の歴史に幕

企業どうしの支払いに使われる「約束手形」を扱う手形交換所として日本で初めて開設された「大阪手形交換所」が、決済手段の電子化などに伴って11月2日で業務を終了し、記念の式典が行われました。

「大阪手形交換所」は、明治12年(1879年)、実業家の渋沢栄一らの呼びかけでつくられた「銀行苦楽部(くらぶ)」に「大坂交換所」が設けられたのが発祥で、企業どうしの取り引きで代金を後払いする際に使われる約束手形を取り扱ってきました。
しかし、インターネットの普及で決済手段の電子化が進み利用が減っていたことなどから、交換所は業務を終了することを決めていました。
2日は午前8時ごろから最後の業務が行われ、金融機関の担当者が支払い先や金額が書かれた約束手形などを交換し終えると、143年の歴史に幕を下ろしました。
約束手形の交換業務は4日から全国銀行協会が新たに設ける「電子交換所」を通じて行われることになります。
業務終了後に行われた記念の式典で、大阪銀行協会の高島誠 会長は「明治から令和までの激動の時代の中で地元経済の発展の一翼を担ってきた。電子交換所の設立でより安全で効率的な業務を行っていきたい」と話していました。