マスク拒否で緊急着陸 威力業務妨害などの罪 懲役4年求刑
おととし(令和2年)、関西空港に向かう旅客機で、マスクの着用を拒否して大声を出し、客室乗務員の腕をねじり上げてけがをさせ、途中の空港に緊急着陸させたとして、威力業務妨害などの罪に問われている乗客の裁判で、検察は「粗暴で悪質だ」として懲役4年を求刑しました。
一方、被告は改めて無罪を主張しました。
茨城県取手市の元大学職員、奥野淳也被告(36)は、おととし9月、北海道から関西空港に向かう旅客機で、マスクを着用しないことを隣の乗客に侮辱されたと主張し、客室乗務員に大声を出して腕をねじり上げけがをさせたうえ、途中の空港に緊急着陸させ到着を1時間半余り遅らせたなどとして、威力業務妨害や傷害などの罪に問われています。
大阪地方裁判所で開かれた26日の裁判で検察は、「粗暴で悪質な行為でありすでに模倣犯が出ていて、今後も模倣犯の発生が強く危惧される。円滑な運航を受ける利益を多数の人から奪って、自分の欲を押し通す行為で、反省は期待できない」などとして懲役4年を求刑しました。
一方、奥野元職員は「幼少期からぜんそくでマスクの着用は困難です。着用するかどうかは個人に選ぶ権利がある。私は無罪です。機内でマスクの着用に応じなかったことを誇りに思っています」などと改めて無罪を主張しました。
弁護側も「事件の根底にあるのは、マスクをしない異質な人を排除する差別意識だ。慎重で公平な判決をお願いしたい」などと述べました。
判決は再来月(12月)14日に言い渡される予定です。