奈良 銃弾窃盗疑いで“自白強要”警察官が賠償求め裁判

奈良県の警察署で実際には紛失していなかった拳銃の実弾を盗んだ疑いで取り調べを受けてうつ病を発症したとして、20代の男性警察官が賠償を求めている裁判で、男性側は、取り調べを録音した「お前しかおらん」などと自白を強要されたとする音声を証拠として提出することを検討しています。
一方、4日の裁判で県側は争う姿勢を示しました。

奈良県の奈良西警察署ではことし1月、拳銃の実弾5発を紛失したと発表しましたが、その後の調査で、県警察本部の担当者が弾の数を実際より少なく配分していて紛失ではなかったことが分かっています。
これについて、当時、警察署に勤務していた20代の男性警察官は実弾を盗んだ疑いで連日、取り調べを受け、自白を強要されるなどしてうつ病を発症したとして、県に対して700万円余りの賠償を求める訴えを起こしています。
男性警察官側の代理人の弁護士によりますと、男性は、取り調べの様子を録音していて、「お前がやったのはもう確定している」とか、「お前しかおらん」、「どうせアウト」などと盗んだと決めつけるようなことばが記録されていて、この音声を証拠として裁判所に提出することを検討しているということです。
一方、4日から奈良地方裁判所で始まった裁判で県側は訴えを退けるよう求め、争う姿勢を示しました。

【奈良県警監察課長“誠実に対応”】
奈良県警察本部監察課の宮野勝夫 課長は、「現在、係争中の事案ですので詳細なコメントは差し控えさせていただきますが、県警として誠実に対応してまいりたい」とコメントしています。

【取り調べ音声の詳細】
男性警察官側の弁護士によりますと、身に覚えのない容疑で10日間、取り調べを受けた男性は、警察からの取り調べの様子をひそかに録音していました。
録音では、取り調べ担当の警察官が「お前がやったのはもう確定している」とか、「お前しかおらん」、「どうせアウト」などと男性が実弾を盗んだと決めつけるようなことばを繰り返していました。
また、男性が盗んだ記憶がないと訴えたところ、「家族を助けたい、迷惑かけたくないと思うなら思い出せ。それしかない」とか、「何がいちばんいいか考えろ。乗り切ることができないのはわかっているだろう」などと自白を強要しているともとれる発言をしていました。
男性警察官側はこの音声を証拠として裁判所に提出することを検討しているということです。