“議員を「先生」と呼ばないで” 大阪府議会 議長ら提案

大阪府議会では、長年の慣例により、議員に対し「先生」という呼び方が使われてきましたが、特別だという勘違いの助長につながりかねないなどとして、議長らが、「先生」という呼称を使用しないことを提案しました。

国会や地方議会では、議員を「先生」と呼ぶケースがありますが、大阪府議会でも、長年の慣例により、議員に対し「先生」という呼び方が使われてきたということです。
これについて、21日に開かれた府議会の議会運営委員会で、森和臣議長は、「先生と呼ぶことで、議員と住民の間、府の職員との間などで、心理的な上下関係を生みやすい。議員が特別であるとの勘違いを助長することにつながりかねないという指摘もある」と述べました。
そして、三宅史明副議長とともに、「先生」という呼称を使用しないことを提案しました。
これに対し、出席した議員からは、「従来から『先生と呼ぶのはやめよう』と話してきたので、進めるべきだ」といった意見が出されました。
一方で、「たくさん議論しなくてはいけないことがある中で、こんなことを話し合っているのは恥ずべきことだ」といった指摘も出されました。
そして、議論の結果、各会派が持ち帰って検討し、今月28日の委員会で、さらに協議することになりました。
府議会では、各会派の合意が得られれば、議員どうしで「先生」と呼び合うことをやめるほか、府の職員にも「先生」と呼ばないよう求める見通しです。

【街の人は】
議員の呼称をめぐる動きについて、大阪府庁の近くで聞きました。
40代の女性は、「議員のことを、なぜ『先生』と呼ぶのか、何を教えてくれるのか分からないので、いいと思う」と話していました。
市役所の職員だったという男性は「『先生』は、すごく偉そうに聞こえるので、市民の目線に近づけるのはいいことだ。職員時代は『先生』と呼んでおけば、とりあえず間違いないと思い、呼んでいたが、ちょっと嫌だった」と話していました。
一方、80代の男性は、「政治のことはよく分からない。われわれが分からないことを分かっている人を『先生』と呼んでもいいのではないか」と話していました。
30代の男性は「個人的には、『嫌だ』とか、『偉そう』という印象はない。ただの呼称なので『先生』でも、『さん』付けでもどちらでもいい」と話していました。

【識者評価も“本質でない”】
地方政治に詳しい法政大学大学院の白鳥浩教授は「明治期に制限された選挙権の中で選ばれるのはお金持ちだった。資産に余裕がある人の家には政治を勉強する書生がおり、議員を先生と呼ぶ状況をほかの人が見て、先生と呼ぶようになった」と話しています。
そして、議員の呼称をめぐる動きについて「先生という呼称をやめるのは、議会から市民により近づいていく一つの試みとしては評価されると思う」と話しています。
一方で、「本質は呼び方ではなく実態だ。議員が本当に市民に先生と呼ばれるような、しっかりした仕事をしていれば先生という呼称も問題ない。市民と触れ合う対話の機会を持つなど、市民に寄り添う政治を目指す必要がある」と指摘しています。