“社内日報で民族差別”会社側に賠償と配布禁止命じた判決確定

大阪の不動産会社で働く在日韓国人の従業員の女性が、職場で人種や民族を差別することばが書かれた文書を繰り返し配られ、精神的な苦痛を受けたと訴えていた裁判で、最高裁判所は会社側の上告を退け、会社側に賠償と、文書を配布しないよう命じた判決が確定しました。

大阪・岸和田市に本社を置き東証プライム市場に上場する不動産会社「フジ住宅」で働く在日韓国人の女性は、「韓国人は嘘をつく国民性」と書かれた業務日報などが会長名で繰り返し配られ、精神的な苦痛を受けたとして会社と会長に賠償などを求め、7年前(2015年)に訴えを起こしました。
会社側は、国際問題などの論評を含む文書で差別的なものではないと主張して争っていましたが、2審の大阪高等裁判所は去年(2021年)11月、「在日韓国人や韓国に親和的な見解を示す人などの人格を攻撃するような侮辱的なことばが書かれた文書を大量に配布し、職場で差別的な思想を醸成する行為だ」と指摘し、1審に続いて会社側の行為は違法だと判断しました。
そのうえで、賠償額を132万円に増額し、差別的なことばが書かれた文書の配布も禁止しました。
会社側は上告していましたが、最高裁判所第1小法廷の山口厚 裁判長は9日までに上告を退ける決定をし、2審の判決が確定しました。

【フジ住宅“極めて遺憾”】
上告が退けられたことを受けてフジ住宅は「最高裁に主張が受け入れられなかったことは極めて遺憾だが、確定した判決については従前どおり順守していく。2審判決でも、社員に対する差別的扱いがないことは認められており、今後も社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために経営していく」というコメントを出しました。