阪大に10年以上勤務の非常勤講師2人 無期雇用求め提訴

大阪大学で非常勤講師として10年以上勤務する講師2人が、大学に対して契約期間の定めのない無期雇用に切り替えるよう求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、大阪大学で英語を教えているカナダ国籍の男性ら非常勤講師の2人です。
非正規の労働者の安定した地位を確保しようと、労働契約法では、同じ職場で5年を超えて働いた場合、本人が望めば契約期間の定めのない「無期雇用」への契約に転換することを雇用先に義務づける、いわゆる「無期転換ルール」を定めています。
訴えによりますと、2人は、10年以上前から非常勤講師として、自分の裁量で業務を行う「準委任契約」で更新を続けていて、去年9月、「無期雇用」への転換を大学に申し込みましたが、大学はこれまでの2人との契約は労働者との雇用契約ではなく、法律の対象にはならないとして認めませんでした。
2人は、ほかの雇用契約の講師と同じ、学校の教員マニュアルに従って授業計画や学生の成績評価などの業務を行っており、法律の対象となる5年を超える雇用契約にあたるとして大学に対し無期雇用に切り替えるよう求める訴えを大阪地方裁判所に起こしました。
原告のカナダ国籍の非常勤講師は、「およそ20年間働いてきて、自分の契約が雇用契約でなく不当に扱われていたんだと思いました。安心して働ける地位を確保したい」と話しています。
一方、大阪大学は「訴状が届いていないためコメントは差し控えます」としています。

【無期転換ルールとは】
労働契約法のいわゆる「無期転換ルール」は、非正規雇用で働く人が契約の更新を繰り返し、同じ職場で通算で5年を超えて働いた場合、本人が希望して申し込めば契約期間の定めのない無期契約に切り替えることを、雇用先に義務づける制度です。
この制度は、非正規労働者の雇用の安定を図ろうと、平成25年に施行した改正労働契約法で定められ、5年が経過した平成30年から運用が始まっています。
しかし、この運用に伴い、一部の大学や企業で契約の更新を拒否する雇い止めが相次いだほか、厚生労働省が去年(R3)行った調査では、この制度について「何も知らない」などと答えた人が4割ほどにのぼり、制度が浸透していないことも課題となっています。