安倍元首相銃撃事件 奈良県警鬼塚本部長に懲戒処分 辞職へ

安倍元総理大臣が奈良市で演説中に銃で撃たれて死亡した事件について警察庁は襲撃を防げなかったとして奈良県警察本部の鬼塚友章本部長の減給3か月の懲戒処分を発表しました。
また、59歳の警備部長についても減給1か月の懲戒処分としました。
警察庁によりますと、鬼塚本部長と警備部長は辞職する意向だということです。
【奈良県警 鬼塚本部長の経歴】。
鬼塚友章 本部長は、福岡県出身の50歳。
九州大学法学部を卒業後、平成7年に警察庁に入り、▼長野県警の警備第1課長のほか、▼警察庁警備課警護室長、▼内閣官房内閣参事官などを経てことし3月に奈良県警察本部の本部長に着任しました。
キャリアの中でも、要人警護といった警備分野での経歴が長く、いわゆる「警備のプロ」として警察内部でも評価されていました。
鬼塚 本部長は着任した際の記者会見で、「子どもや高齢者といった社会的弱者にしっかり寄り添い、被害者を発生させないための諸対策を推進したい。日本一安全で安心して暮らせる奈良を実現するため、本部長としての重責を果たし、粉骨砕身努めてまいりたい」と述べていました。
先月(7月)8日、安倍元総理大臣が銃で撃たれて死亡した街頭演説の際は、警護の責任者を務め、県警が作成した「警護・警備計画」を事件当日の朝に承認していました。
鬼塚 本部長は、事件の翌日に記者会見を行い、「27年の警察官人生での最大の悔恨、痛恨の極みであります。今回の事態が生じてしまったことに対する責任の重さを痛感しております」と話していました。
そして、当時の警備体制については「警護・警備に関する問題があったことは否定できないと考えており、早急にその問題点を把握し適切な対策を講じる」として、問題があったことを認めていました。

【警察庁 中村長官 辞意表明】。
警察庁の中村格長官は25日の会見で、安倍元総理大臣が演説中に銃撃されて死亡した事件について「警護のあり方を抜本的に見直し、二度とこのような事態が起こることのないよう新たな体制で新たな警護を行うために人心一新を図る」と述べ、辞任する意向を明らかにしました。
事件のあと進めていた、当時の警備の検証や見直しの結果がまとまり、25日に報告書が公表されたことを受け、辞意を表明したとしています。
中村長官の辞任は26日の閣議で了解される見通しです。

【警備に関わった警察官に懲戒処分】。
安倍元総理大臣が銃で撃たれて死亡した事件を受けて、奈良県警察本部は事件当時、警備に関わった警察官4人を懲戒とする処分を発表しました。
このうち、現場の責任者だった県警察本部警備課長の54歳の警視は、「現場で最上位の幹部だったにもかかわらず指揮が不十分だった」と指摘され、減給3か月の処分となりました。
警視は事件について「警護対象者の生命を守ることができず、極めて重く受け止めています」と話しているということです。
このほか、警衛警護・危機管理対策参事官の60歳の警視は減給1か月の処分を受けました。
60歳の警視は「適切な警護計画の作成の徹底を欠いた」と指摘され、「極めて重大な事態を招いたことに対して責任を痛感しています」と話しているということです。
処分を発表した県警察本部の松井高志 首席監察官は「今回確認された問題点を改めて深く認識し、二度とこのような事態を発生させないよう、職員への指導を徹底してまいります」とコメントしています。
また、県警察本部は「改めましてお亡くなりになられた安倍元内閣総理大臣のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆さまに対し、心よりお悔やみを申し上げます。県民の皆さまをはじめ多くの方々に、多大なるご不安、ご心配をおかけすることになり心よりおわび申し上げます」とコメントしています。