6歳女児暴行死事件から1年 滋賀県が児童相談所対応など強化

去年8月、大津市で17歳の兄が6歳の妹に暴行を加えて死亡させた事件から1日で1年です。
兄は親に代わって妹の面倒を見るいわゆるヤングケアラーだったとされ、滋賀県は事件の検証を踏まえて児童相談所の対応やヤングケアラーの支援を強化しています。

1年前の去年8月1日、大津市の公園のジャングルジムの下で小学1年生の6歳の女の子が倒れているのが見つかり、17歳の兄が暴行を加えて死亡させたとして傷害致死の疑いで逮捕されました。
この事件を受けて大学教授や弁護士などによる滋賀県の検証部会は、ことし6月に報告書をまとめています。
報告書では、県外の施設などで別々に暮らしていた親子が去年春に一緒に暮らし始めた際、関係する3つの児童相談所の間で担当者が直接情報をやりとりするなどの引き継ぎが行われず、家庭内のリスクを見抜けなかったと指摘されました。
また、事件を起こした兄は家を不在にしがちな母親に代わって妹の面倒を見るいわゆるヤングケアラーだったとされましたが、児童相談所は兄がいることを安心材料と捉えて妹の一時保護に踏み切らなかったことも指摘されています。
県は児童相談所の引き継ぎの際は担当者が直接やりとりするよう改めたほか、今年度からヤングケアラーの子どもの悩み相談に対応するNPOに補助金を出すなど、ヤングケアラーの支援を強化しています。

事件当時、家族の対応にあたっていた滋賀県の児童相談所「大津・高島子ども家庭相談センター」の大久保法彦所長は、NHKの取材に対して「当時17歳で、もうすぐ18歳になる兄がいたことで安心材料と捉えてしまい、兄の暴力を予見できなかった」と述べました。
そのうえで「一見大丈夫そうに見えるケースでも急変することがあるという家族のぜい弱さに目を向け常に小さい子に命の危機があるということを肝に銘じていきたい」と話しています。