安倍元首相銃撃 容疑者 “母親が祖父の土地 勝手に売却”

安倍元総理大臣が奈良市で演説中に銃で撃たれて死亡した事件で、容疑者は母親が信者になっている宗教団体への恨みから事件を起こしたとみられていますが、調べに対し母親が家族に断りなく土地を売却し、団体につぎ込んだと説明していることが捜査関係者への取材でわかりました。

今月8日、奈良市で演説をしていた安倍元総理大臣が銃で撃たれて死亡した事件で、警察は奈良市の無職、山上徹也容疑者(41)を逮捕して殺人の疑いで捜査しています。
これまでの調べで山上容疑者は、「母親は入信している宗教団体にのめり込み多額の寄付をするなどして家庭生活がめちゃくちゃになった」と供述し、団体への恨みから近しい関係にあったと思い込んだ安倍元総理大臣を狙ったとみられています。
さらに、捜査関係者への取材で山上容疑者が、「母親が祖父の持っていた土地を祖父に断りのないまま売り払い、団体につぎ込んだ」という説明をしていることがわかりました。
母親が信者になったのは平成10年ごろで、登記簿によりますと、母親はこの年の10月、奈良市内2か所にある宅地を祖父から相続し、翌年の6月までには売却していて、その後、破産しています。
一方、警察は12日も、山上容疑者が事件前日に銃で撃ったと供述している奈良市内の宗教団体の施設が入った建物の現場検証を行いました。
警察によりますと、建物の壁に弾痕のような痕跡が確認され、弾丸とみられる丸みを帯びた金属片数個を押収したということです。
警察は、容疑者の家族からも事情を聞いて宗教団体に恨みを募らせた経緯について調べています。
山上容疑者の母親が信者になっている宗教団体の「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会は11日の記者会見で、「母親が経済的に破綻したあと、この家庭に高額な献金を要求した事実は記録上残っていない」としたうえで、一般的な献金の仕組みについては「ご本人の意思で献金されていくが、それぞれの献金の額はご本人の信条に基づいて献金されていると受け止めております」と話しました。

【事件現場で僧侶が読経】。
安倍元総理大臣が銃で撃たれた奈良市の現場近くには、12日、近くの寺の僧侶が訪れました。
現場を訪れたのは、西大寺の松村隆誉 長老ら6人の僧侶で、献花台の近くでお経を読み、安倍元総理大臣を弔いました。
西大寺の辻村泰範 執事長は「寺の目の前で日本のために功績をつまれた方が撃たれ、その後亡くなったということでお経を読ませていただきました。元総理の冥福を祈ります」と話していました。
【事件から4日 献花続く】。
安倍元総理大臣が銃で撃たれた奈良市の現場近くに設けられた献花台には、事件から4日がたった12日も多くの人が訪れていました。
雨が降る中、午後2時ごろには、100人を超える人たちが列を作っていました。
安倍元総理大臣の地元、山口県下関市出身で現在は奈良市に住んでいるという44歳の男性は、「たまたま安倍元総理が奈良に来た時に亡くなったというのは残念でショックが大きいです。地元では、気さくに声をかけてくださるような方でした。お疲れさまでしたという気持ちで手を合わせました」と話しました。
大学で政治を学んでいる大阪・枚方市の20歳の女性は、「私のなかで総理大臣といえば、安倍元総理だったので、ショックです。ありがとうの気持ちだけでも伝えたいと思ってここに来ました」と話しました。