広がる市場 大豆ミートなど植物由来食品の最新事情

牛の飼育は多くの土地や水を必要とする上、牛のげっぷなどに多く含まれるメタンは二酸化炭素と比べて20倍以上の温室効果があるとされていて、環境対策との両立が課題となっています。
こうした問題への関心を高めてもらおうと、大阪・北区にある「大阪新阪急ホテル」では、牛の飼育と比べて環境への負荷が小さい大豆に着目し、熊本のベンチャー企業から仕入れたミンチ状の大豆ミートを使った料理を去年(2021年)12月からバイキングのメニューに取り入れています。

これまで麻婆豆腐やロールキャベツなどを順次、提供してきましたが、先月(6月)からは揚げなすに大豆ミートで作ったそぼろ味噌をかけた一品を提供しています。
料理を食べた女性は「なめらかで食べやすいです。消化しやすそうで、子どもでもおいしく食べられそうです」と話していました。
ホテルでは、今後は、客の反応を見ながら大豆ミートを使った料理を増やすかどうか、検討してくことにしています。
ホテルの運営会社の「阪急阪神ホテルズ」SDGs推進部の鳥井由佳部長は、「食の選択肢を広げながら、社会問題や環境問題への関心を高めてもらいたいという思いから、大豆ミートの提供を始めました。今後も、食を通じて環境問題の解決につながるような取り組みを続けていきたいです」と話していました。

【メーカーも開発体制を強化】
大豆ミートなど植物由来の原料で作られた食品への関心が高まる中、大阪の食品メーカーがこの分野の戦略説明会を開き、大豆を使ったシチューなどを披露しました。
このメーカーでは、2030年に世界で1000億円の売り上げを目指すことにしています。

大豆ミートをはじめとする植物由来の原料で作られた食品は世界的に市場が拡大してきています。大阪に本社がある「不二製油」は、この分野の戦略説明会を東京・千代田区のホテルで開き、2030年には世界で1000億円の売り上げを目指す方針を明らかにしました。
続いて行われた試食会では、会場となった「ニュー・オータニ」の料理人が考案した、大豆などを使ったミートシチューやエビカツ風バーガー、それにマーボー豆腐丼など10品目以上が並べられました。
この会社では、大豆の加工を工夫することで肉の厚みを表現する技術開発を進めてきましたが、実用化のめどが立ったことから来月(8月)から販売を始めることにしています。
さらに、開発体制を強化して食材の数などを増やすことにしています。
不二製油の大森達司社長は「世界の人口が増える中、今の食文化を維持するためにも植物性の素材を提案して、選択肢の一つとして選んでもらえるように取り組んでいきたい」と話していました。
一方、会場となったホテルでは、レストランのメニューの一部に大豆ミートなどを取り入れることも検討しているということです。
「ニュー・オータニ」の中島眞介総料理長は、「植物性の食材は味をつけやすいのが特徴だ。調理方法や食材との組み合わせを引き出していきたい」と話していました。

【市場拡大と今後の課題】
「大豆ミート」に代表される植物由来の原料で作った代替肉は、低カロリー・高たんぱくとして知られ、注目を集めてきました。
日本は、欧米と比べれば普及が遅れてきましたが、ここ数年、食品メーカーや外食チェーンなどが相次いで参入し、市場が拡大してきました。
日本能率協会総合研究所がまとめた調査によりますと、「大豆ミート」の市場規模は2019年度には15億円でしたが、品質の改善や商品数の増加によって今年度(2022)には25億円、そして、2025年度には40億円に拡大すると予測しています。
一方で、一段の普及に向けては課題も残っていて、▼味や食感を「本物の肉」にどこまで近づけられるかや、▼牛肉などと比べるとまだ割高な価格をどのように抑えていくかがポイントとなりそうです。