府立高校教諭の長時間労働で賠償命令 大阪府は控訴しない考え

大阪の府立高校の教諭が恒常的に長時間労働を強いられ適応障害を発症したと訴えた裁判で、28日、大阪地方裁判所が訴えを認め学校側に賠償を命じたことについて、大阪府の吉村知事は教員の負担軽減に取り組むことが重要だとして、控訴しない考えを明らかにしました。
判決は確定する見通しとなりました。

大阪府立高校の教諭が、学級担任の受け持ちに加え、休日の部活動の指導などで恒常的に長時間労働を強いられて適応障害を発症し、休職を余儀なくされたとして大阪府に賠償を求めた裁判で、大阪地方裁判所は、28日、教諭の訴えを全面的に認め、学校側に230万円余りの賠償を命じました。
これについて、大阪府の吉村知事は29日の記者会見で、控訴しない考えを明らかにしました。
このなかで吉村知事は、「裁判で争うよりも、教員の負担の軽減に力を入れるべきだ。とりわけ部活動が入ると加重な負担になるので、この判決をもとに対策を検討し、教員が教育活動に専念できるようにしたい」と述べました。
そのうえで、「今回の原告の教員には申し訳ない思いで、謝罪したい」と述べました。
賠償を命じた判決は確定する見通しとなりました。

【原告の教諭“環境改善の一助に”】。
大阪府が控訴しない考えを明らかにしたことを受けて、原告の高校教諭の西本武史さん(34)は、「学校という場は教員が落ち着いて子どもたちに向き合える場所でなければなりません。これ以上、倒れる教員を出さないために、自治体や国には教員の長時間勤務問題に正面から向き合ってほしいです。今回の判決が教育現場の過酷な労働環境の改善の一助となれば幸いです」というコメントを出しました。

【弁護団“業務改善を期待”】。
大阪府が控訴しない考えを明らかにしたことを受けて、原告の高校教諭の弁護団は「教員の過重な業務の実態の深刻さを受け止めた判断だと考える。これを契機に、教育現場での長時間労働や過重な業務の現実が改善されることをせつに期待する」というコメントを出しました。